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デスクトップ・ディテクティブ

先日NHK放送の「ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪」は二週連続で国立公文書館でした。大変面白かったです。

丁度福田元総理が、かつて公文書館を管理する立場であった高市大臣に対して厳しい指摘をしている今月号の文芸春秋が出たところだけに、とても興味深い番組でもありました。

まてよ、NHKにごり押ししていた高市氏に対して、あまり有利な特典とは言えないタイミングでのこの番組は、高市氏の総務省への力の低下という意味もあるのでしょうか。

ただ、このザ・バックヤードは公文書は大事ですよ、というニュアンスはわかりますし、第二段は東大寺の文書や徳川からの歴史的な文書の意義については紹介されていましたが、今に生きる公文書の意義については描き切れていなかったように思います。
そういう意味でとても素晴らしいアーカイブスの意義の実証はこちらではないでしょうか。

ミステリの世界では「安楽椅子探偵、アームチェア・ディテクティブ」という現地に行かずに書斎で推理するという探偵のジャンルがあります。肢体が不自由なリンカーン・ライム氏などはこの典型かもしれませんが、この東京新聞の記者さんは、さすがにミッドウェーの孤島に行くのは難しいので、とにかく調べます。まあそもそも最初のきっかけからしてGoogle mapですからね。
で、今回さらに協力者も得て、さらに「ハワイ州立公文書館デジタルコレクション」「国立国会図書館デジタルコレクション」「米国議会図書館ウェブサイトChronicling America」とネットで掘り下げ、「外交史料館」に赴き調べられたので、現在の「安楽椅子探偵」は「知の共有者の支援」+「デスクトップPCディテクティブ」ということかもしれませんが、結局足で調べるのも必要なんですね。

ところが、原典がなければ調べようがないのははっきりしています。なければそこから先に掘り下げることは困難であることは間違いありません。
確かにこの記事にある「東京府下 櫻井又五郎」「愛知縣人 竹内四郎之建」のお二人にどこまで調べる価値があるかはわかりませんが、この二人の顛末を知ることが出来れば、公文書の持つ意味がどれだけ素晴らしい事かわかると思います。

原典を改ざんしたり(元理財局長佐川氏)、その存在を貶めるような人(高市氏)、HDを破壊する人(小渕優子氏)、あるいは敗戦時重要書類を自発的に廃棄した軍関係者、外務省関係者のDNAを受け継ぐ人びとは、結局国民の為とか第三者の為でなく、自分のためにそのような処分をする人といえるでしょう。もちろん自分が不法なこと、不自然なことをしたという意識が、そういう勝手気ままなことをさせるわけですから。

先日来マイナンバーカードでは不祥事続きです。

誠に失礼ながら、私くらいの世代の人は中国の統計数値は誰も信じていませんでした。政府が勝手に改竄すると思っているからです。今でもそうだと思います。逆に日本は統計数値だけはきちんと出す国だと思っていましたが、安倍政権以降はどうやらそうではない、都合の良い数字は出すし、一部改竄とか胡麻化すのが普通になったようです。国交省や経産省はその常連ですが、総務省も同じ穴の狢。こういうのを見ると日本も中国並みになったなあ~と安倍氏の足跡に溜息がでるのです。
統計数値や発表がええ加減ということ=政府や役所の対する信頼度もええ加減でよいということの表れ。ええ加減の発表のくせに信頼はしろなんて、どういう口で言っているんでしょうかね。

探偵と言えば朝ドラで大人気の「浜辺美波」さん、私が彼女を知ったのは「ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~」というNHKドラマ。

彼女が腹黒いアイドルで、たまたま事件を解決するというコメディミステリでありました。この時彼女のコメディエンヌの能力に驚き、その後のまたまたコメディである「タリオ 復讐代行の2人」で確信しましたね。

タイトル写真は当社も関わった、国立国会図書館の明治期刊行図書のマイクロ写真撮影です。

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