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南の旅~阿波・土佐編

さてぐっすりと休んだ翌朝ですから、いつものようにジジイは朝早く目が覚めます。この日和佐は東向きの湾なので、朝日が見れるな…と5時前に昨晩のウミガメの海岸に向かいました。
ウミガメの産卵跡は見かけなかったのですが、朝日は綺麗。冬場は半島側でなく、もっと右側から上がるようで、そのときは「だるま朝日」がみれるそうです。

大浜海岸

1時間ほど海風を満喫しました。散歩の人も誰も来ず、独占しました。
その後町の方に戻ると、大きな大木のある日和佐八幡神社がありました。

まったく知らなかったのですが、ここである秋祭り「ちょうさ」は大きな山車が町ごとに何台も出る凄い祭りのようで、山車の格納庫が何棟もありました。漁師町なんですね。

この橋は「厄除橋」という日和佐川に架かる橋で、遠方に見えるのが日和佐城。この欄干に書かれているのは「ウミガメ」と「ちょうさ」のレリーフ。

7時前にホステルに戻り、セルフの珈琲で一息したあと、朝飯を食べに出かけました。
実は徳島に来るのだったら「アアルトコーヒー」さんに行きたいものだと思っていましたが、お店の開店時間にあわないので断念。その代わり日和佐でアアルトさんの珈琲を扱っているところがあると知ったので、そちらに向かったのです。洒落たカフェとお思いでしょうが、洒落てはいますが豆腐屋さんなのです。「ハラトウフテン」さん。

アアルトコーヒーとフライドエッグサンド
サンドやお弁当も売っていました

朝ごはんにアアルトコーヒーを飲み、お土産にアアルトブレンド、アイノブレンドを購入。昨日も阿波番茶だったから今回のお土産はお茶系ですね。

ホステルに帰る前に、今度は日和佐にある23番霊場「医王山 無量寿院 薬王寺」に寄りました。阿波の国の一番南端の霊場になるのですね。

次の24番霊場は室戸岬の「室戸山 明星院 最御崎寺」は83.5キロ先(歩くと20時間)なので遍路歩きでは二番目に離れているらしいです。
その薬王寺さんに参拝しました。本堂や大師堂にお詣りし、一番上にある瑜祇塔の前からの日和佐の眺めは絶景でした。

さて荷物を取りにホステルに戻ったら、台湾(台北)からの70歳おばあさんが到着。歩き遍路で4月の終わりから廻り始めたとのこと。日本語も達者で話をしたら、「今日宿泊予定だけど、休養を兼ねてチェックインタイムの前に早めに来た。事前にここについて補充しようと思っていた薬や服を宅急便で送ったので、パッキングもしなおし」
色々話をしてくれて、とても良かったです。「あなたは私より若いんだから、どこかで何か挑戦しなきゃ」とハッパをかけてもらいました。
元気で88か所を成就することをお祈りしてお別れしました。

11時前に日和佐駅に戻り、朝「ハラトウフテン」で買っておいたチキンサンドで早めの昼食。
食べ終わったら同宿のドイツ二人娘が来たので、少し話をしたら、なんと「日曜の午後には広島に行くよ」とのこと、その頃ならお偉いさんは広島を離れて少し警備が楽になっているかな?と話していたら、電車が到着。いよいよ牟岐線に乗り、終点の阿波海南に向かいます。

阿波海南行き到着

そうそう、今回は阿波海南から室戸に行くのに「路線バスの旅」ならぬ「阿佐海岸鉄道」で甲浦駅までの10kmをDMV(デュアル・モード・ビークル)の鉄道路線で行き、そこから室戸迄の35kmは国道55号線をバスとして移動します。

丁度向かいのホームに徳島方面に行く普通が入ってきました。イラストはそのDMV、幸先がよさそうです。

まずは、阿波海南の駅前で乗り換えます。これがDMV、少し前にある線路に上がります。これは動画をみると楽しめます。

バスから鉄道になる時は、前が上がり、後ろが上がる感じで、何とも妙な感じでした。道中はなかなか興味深いのですが、やはりDMVの小さな車体だと列車と比べると重さが足りないのか、揺れ、特にローリングが厳しい感じでした。
さすがにコロナも少し落ち着いてきたことと、週末、また旅行に破壊的な季節になったので、一日1便しかない室戸方向のバスは満席でした。
甲浦駅で鉄道からバスモードに変わり、高架駅からの急な下りをバスモードで行くところはちょっと感激しました。

阿波海南で乗車

甲浦で再び今度は鉄道からバスにモードチェンジ、今度は国道55号線に入り、一路室戸方面へ。

DMVはよくこれ造ったなと感心しました。道路と鉄路の両方走れることもありますが、重複している所は二つの路線を維持する苦労はあると思いますが、国道が勧めなくても鉄道路線が補う、逆もまたあるでしょう。
保線にはお金もかかるとおもいますが、是非工夫して残してほしいと思います。昨年乗った木次線のスイッチバック同様に、無くしたら地域の大事なものが失われると感じました。頑張れ阿佐海岸鉄道!

左に太平洋でサーフィンする人たちを眺めながらひたすら太平洋の絶景を臨み、1時間半くらいで室戸岬のバス停で下車しました。徒歩で目の前の室戸岬に向かいます。

室戸岬

室戸岬から少し戻るように海岸の歩行者道路を10分ほど歩くと、空海が超然として真理を得たという御厨人窟に至り、中に入ることも出来ます。中は天井から水がポタポタで、よくこういうところで修行されたな、さすが空海。真昼間なので空海のように金星が見えることもなく、凡人であることを確認しただけでした。でも写真を撮ったら御厨人窟に上から光がさしたような感じ、やっぱりパワースポットでしょうか。

御厨人窟

御厨人窟から24番札所の「室戸山 明星院 最御崎寺」に向かおうと思いましたが、猛烈な暑さと、荷物もあり、これは無理と断念。
代わりに灯台に行こうかとも思いましたが、仰ぎ見る道も急で、また昇りにくく30分くらいかかるとのことで、これまた断念。修行不足、体力不足、準備不足です。

皆さん石と貝を拾っていました

再び室戸岬のバス停に戻り、中岡慎太郎氏とツーショットを撮った後、今度は奈半利、安芸方面のバスに乗り込みます。

本当は安芸まで乗っていてもいいのですが、乗り鉄の端くれとしては「土佐くろしお鉄道」に乗りたいので、奈半利で下車して乗り換えます。

全駅にやなせたかし先生のキャラがいます

バス停を下りて、エレベーターで高架駅まであがります。
さすが終点、線路がすぐそこで終わっていました。今日は牟岐線の終点の阿波海南駅、DMVの終点の甲浦駅ときて、この奈半利と3駅の終点のはしごです。

ここが土佐くろしお鉄道の終点
1両編成ワンマンのディーゼル

この便は高知まで直通なので、そのまま左手に土佐湾を眺めつつ、「呑み鉄」風にしようと思いましたが、高校生がどんどん乗ってきたので、そういうわけにいかず車窓からの風景を楽しむのみに。

快速の高知駅行きでしたが、土佐くろしお鉄道は駅の間隔が比較的短く、バスに近いのかもしれません。
奈半利から安芸までは各駅停車で、安芸から後免までは何駅かごとになり、土讃線に入るとまた各駅停車なので、奈半利を16:03にでて高知に着いたのが17:25と結構かかりました。ちなみに室戸岬から奈半利間のバスは1時間の乗車でしたが、これがまた結構飛ばす路線バス、バス停に乗車する人を見かけないと全然スピード落とさない、これが高知ドライバーか‥と思いました。

くろしお鉄道は上りの左側が海でとても風景がよろしい、遠く室戸岬方向とさらに足摺岬方向も見えますが、山側はあまり見どころがないようで、せいぜい安芸駅から二つ先の「球場前」駅でしょうか。阪神タイガースのキャンプ地で有名で「安芸タイガース球場」というのだそうで、さすがに行政としても力入れてるんでしょうね、素晴らしい施設でビックリしました。今期の好調さの一つのバックボーンかも。

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