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立場を変えて考えよう

連休が明けました。この連休はサンフレッチェの試合を見に行ったり、尾道に行ったり、土筆採り、お彼岸の墓参りと何かと堪能しました。そのことはまた書くとして、昨日の春分の日の朝は月曜日ですが、のんびり起きました。テレビをつけるとウクライナの悲惨なニュース一色なので、チャンネル変えてETVをぼんやりと見ていると、この春からの編成が変わり、終わるみたいですが、子ども向けのシャキーン!をやっていて、ハンバートハンバートが出ていました。


ETVやるわい!と思ってみていたら、その後に「立場を変えて考えよう」みたいなコーナーがあった。

テレビの手前の三人がリモコンでザッピングしようとすると、テレビの中の人が「立場を変えて考えよう」というのだな。まあテレビの登場人物にとってザッピングされるとどういう気持ちか考えてみて、ということなのだろうが、三人は自分がテレビになったり、リモコンになったりとちょっと違う立場で考える。面白いもんだな~と思ってみていましたが、ふと思い当たることがありました。


先ほども書いたけどウクライナへの悲惨な侵略戦争。世界中が非難囂々であります。そりゃそうだよね、一般人もものすごいことに巻き込まれている。あれみると「正しい戦争」などないとよくわかる。しかし一方でロシア側はウクライナに住むロシア人、ロシア系住民保護というものに加えて、NATOの東への拡大による自国に対する危機をも訴えて、その正当性を訴えている。ロシアに住む人(一部国内にも反対は入るようだが)以外は、その説には組みしないと思うが、それでもロシアは「錦の御旗」としているね。


で、「立場を変えて考えよう」である。いや決して自分がウクライナ国民やロシア国民の立場になろうというわけではないが、かつて同じようなことがあった。それは日本の半島から満州への進行だし、さらにフィリピン、インドシナ半島、南洋諸島への進行。あえて「進行」と書いたがどう考えても他所んちに無理やり武力行使で行くわけだから「侵攻」以外の何物でもないし、今のロシアがやっていることと何ら変わらない。

もちろん「錦の御旗」は「大東亜共栄圏」であり「五族協和」を掲げ、さらに満蒙の開拓団保護というのもウクライナのロシア系住民保護となんらかわらない。

そして当時の大陸への進出は「西欧各国からの利権(権益)保護」であり、「ソ連の南進という脅威への対応」だったと学んだ。これもまた今回ロシアの「EUやNATOの脅威への対応」とピッタンコだ。

そして経済封鎖は、ABCDラインによる国内の資源不足、ロシアは金融封鎖によるデフォルト危機とこれまた同様だ。

これって日本がそれぞれの地域の人から望まれなかった進出と相似形ではないだろうか。今ロシアに対しての世界中からの非難は、当時我が国が受けていた非難と同じだろう。そしてその世界的な評価を国内では隠していたのも今のロシアと当時の日本は同じ。更に国際連盟を脱退したが、先日ロシアも欧州評議会を脱退したな。そして我が国はそのあげく、結果として大きな悲劇と、進出先での憎しみを生んだことが、当然と言えば当然だがいまだに尾を引いている。


言いたいのは「立場を変えて考えよう」である。それは今回のウクライナ侵略戦争の悲惨な現状と、その後ロシアに対して鉄槌が下された後、ロシア国民が負わなければならない悲劇である。ウクライナ国民をかつて日本軍が進出した地域の人、そしてロシア国民を戦中戦後の日本国民の姿で考えれば、どういうことかよく分かろう。

さらに「立場を変えて考えよう」では、今理不尽にも他国が攻め込んできたウクライナの国民の気持ちである。そのウクライナ国民は、かつて我が国が進出した半島、満州、フィリピン、インドシナ半島、南洋諸島の人たちの当時の気持ちと全く同じだろう。そりゃいくら謝っても謝りきれない気持ち、許せない気持ちは心の奥底に残るだろうし、何代も続くことは容易に想像できる。歴史問題についていつも揉めるが、それは当たり前だろう。「水に流そう」というのは傷つけられた人が言う言葉で、傷つけた人が言う権利などどこにもない。

「立場を変えて考えよう」だ。かつて日本が侵略した地域の人、子孫(今の人たち)は、今のウクライナ人に、かつての日本人は今のロシア人に。

そう考えると、今回の侵略戦争の見方も決して他人事ではなく、特に終わった後の戦後処理は、かつて日本が負うべきだったものと重なるのじゃないだろうか。つまり私たち日本人は「正しくその責を負ったのか?負い続けているのか?」を、改めて突き付けられることになる。

写真は尾道水道の夕暮れ、本土側と向島側、その間をゆっくり渡船で渡りました。

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