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2023年リゲティの旅はお見事でした
私はNHK-FMの「クラシックの迷宮」を毎回聞いているのですが、先週の「2023年リゲティの旅 〜リゲティ生誕100年〜」は誠にお見事でした。
実際には放送日に四国に行っていたので、聞きのがさないよう録音しておいたものを後追いで聞いたものになるのですが、圧倒されました。
リゲティの紹介のキーワードとしてキューブリックの「2001年宇宙の旅」を使われました。
冒頭はあの有名な「ツァラトゥストラはこう語った」ですが、キューブリックによるこの曲の強引な選択の事情だけでなく、あらゆる場面でリゲティの曲も使われることにより、結果的にリゲティを多くの人に紹介するきっかけにもなったことをまずもって指摘されます。
ですから出だしはインパクトのある。
「2001年宇宙の旅」メイン・タイトル(リヒャルト・シュトラウス作曲 交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」冒頭)
で、続いてではリゲティの曲はということで「ツァラトゥストラ」の前に使われているリゲティの曲を紹介。
「2001年宇宙の旅」序曲(リゲティ作曲 「アトモスフェール」から)
これでああ、2001年はリゲティの曲がベースで使われ、家ベントではシュトラウスの曲だったのかと気がつきます。
中でも
「2001年宇宙の旅」人類の夜明け1(リゲティ作曲 「レクイエム」から)
はモノリスと類人猿が遭遇するところで、そうだったのか、モノリスが人類(類人猿含む)と出会うときには確かにこの曲が繰り返し流れていたと気がつきました。
そして類人猿の棍棒が空に跳ね上がり、それが宇宙ステーションに変わる時には
「2001年宇宙の旅」人類の夜明け2(ヨハン・シュトラウス作曲 ワルツ「美しく青きドナウ」から)
となり、月面でのモノリスとの遭遇の際は再びリゲティの曲になります。
「2001年宇宙の旅」人類の夜明け3(リゲティ作曲 「ルクス・エテルナ」から)
でもってHALとの闘いの後にボーマン船長が、いよいよ超生命体に変わっていくときにリゲティが掛かります
「2001年宇宙の旅」木星 そして無限の彼方(リゲティ作曲「レクイエム」「アトモスフェール」「アヴァンテュール」によるコラージュ)
映画のボーマン船長の最後のメッセージであり、アーサー・C・クラークが続編の2010年宇宙の旅でも書いた「My god! It's full of stars.」を想起させますね。
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で、最後にはボーマン船長が超生命体=スターチャイルドになった際は再び「ツァラトゥストラ」
「2001年宇宙の旅」スター・チャイルドの誕生(リヒャルト・シュトラウス作曲 交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」冒頭)
ということで、片山氏の素晴らしいコメントに感銘を受けました。
ところで、私はらじるらじるで深夜11時位から聞き始めたのですが、ここまでは前半分(1時間40分番組)で、後半はいよいよ2001年以外のリゲティの曲の紹介になります。でかかったのが
1アヴァンテュール
2 12の女声と管弦楽のための「時計と雲」
3 ヴォルミナ
の三曲でした。
まあこれがラウンドアバウトミッドナイトの時間に聞くと、身の毛のよだつような恐ろしさ。間違いなくあちらの世界に誘い込まれるような感覚になり、リゲティってすごいわと思った次第です。
フランクフルト交響楽団のリゲティシリーズ、1:21:54からが「時計と雲」です。
間違いなく昼間に聞くより、草木も眠る丑三つ時こそ、リゲティ聴きながら向こうの世界をのぞき込むには最適だと確信しました。
いやほんとうに、片山氏の構成はお見事でした。リゲティの生誕100年記念はパート2があるようなので、再び真夜中に聞きます。でもやっぱり肝試し気味で怖いので、できればお盆時期は外してほしいです。
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