60対1,769,000
先日新聞を見ていたら、「三島由紀夫賞」「山本周五郎賞」の発表があり、読んでみようかなと図書館に予約を入れたところ、他の予約が入っていなかったのであっさり借りることが出来ました。
日曜日の地元紙には山本周五郎賞をとった「地雷グリコ」の作者である青崎有吾氏の記事が出ていたので、ではこっちから読み始めようとページをめくったのですが、確かに面白いんだけど、山本周五郎賞なのか?と思わずにはいられませんでした。
山本周五郎氏の作品はもともと講談調の語り口で、読みやすいのですが、青崎氏の方は登場人物の名前が物凄く特徴的で、ここで躓くのです。
「椚(くぬぎ)迅人(はやと)」「江角(えすみ)」「射守矢(いもりや)真兎(まと)」「鉱田(こうだ)」「塗辺(ぬりべ)」なんて、私の周囲には一人もいません。だから
「『射守矢はどう思う?』椚先輩は私にかまわず、真兎に尋ねる」
なんていう文書は読んでいて物凄く引っかかるのです。
正直この名字の所で私の評価はマイナスに振れますね。
実は三島由紀夫賞の方の「みどりいせき」(大田ステファニー歓人)、まあ作家自身のお名前も引っかかり系ですが、こちらの方の主人公の名字が「桃瀬(ももせ)」。う~ん「百瀬(ももせ)」は知り合いの知り合いにいるが「桃」はいないぞ。
この「みどりのいせき」はまだ最初の30頁くらいなので、今からの評価になりますが、最近は登場人物の名前はキラキラネームやこういった手の込んだ名字が多いのだろうか。
確かにそれほど作品が出ていない時代には、同じ名前の主人公や登場人物が重なることはそれほどなかったでしょうが、今みたい小説類が氾濫している状態では、著作権の問題もあり、被らない登場人物名の設定に四苦八苦しているのかもしれませんね。
もちろん「地雷グリコ」の登場人物が、佐藤や、鈴木や田中でも全然問題はないのだと思いますが、もしかしたら編集者が登場人物名DBを参照して「青崎先生、この登場人物名○○さんの作品と被っているから、奇名辞典から引っ張ってきた方が無難かも」と「塗辺」にしたのかも。
で「塗辺」でググってみると同じ読みの「塗塀(ぬりべ)」さんは全国に100人位いるらしい。「射守矢」は60人位とこれまた希少価値。私はどこにでもいる「鈴木」ですが、これは全国に1,769,000人位いるそうなので、射守矢さんの約3万倍ということに…
いずれにしても引っ掛かりながらも読んでいこうと思います。
また本でいえば「ガーディアン」にアリス・マンローさんの逝去記事出ていたので、読んでみようかと予約を入れたら、こちらもあっさりと借りれました。
逝去といえば地元紙の書評欄には、昨年亡くなり今年翻訳が出版されたコーマック・マッカーシー氏の遺作二冊の紹介がありました。
この書評よくまとまっています。ぜひお読みください。
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