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サイン

このコラムを見て思い出したことがあります。

ここではタクシーの運転手さんが「宿舎に戻る選手の自転車に乗せてもらった」のでカープファンになったとありますが、私も小学校の低学年の頃、家の裏の路地で叔父とキャッチボールしていたら、向かいのアパート(マンション)から出てきたおじさんが「おお、キャッチボールしよるんか」と言って叔父のからグラブを借りて何球かキャッチボールをしてくれました。叔父に聞いたら「カープの選手じゃ、ピッチャーの竜いうんで」と教えてもらいました。

その晩ラジオ中継を聞いていると、叔父が「カープ見にいこうで」と誘ってくれました。住んでいた家から球場までは歩いて5分くらい、当時は7回が終わると外野はタダで入れました。球場はカクテル光線で緑の芝が光り、本当に別世界。すると選手交代で「カープ、ピッチャー竜」とアナウンスがあり、昼間のおじさんが登場。リリーフで抑えたか打たれたかは記憶にありませんが、あの日に私はカープファンになりました。

さて、もう一つこの記事に絡んだ、私の昔の記憶です。

私は出張の時は新幹線を利用するのが常ですが、数年前でしたが22時過ぎに広島駅に着くのぞみで帰りました。隣接するホテル(ホテルグランヴィア広島)のタクシー乗り場で帰ろうと、駅から連絡通路を通り、ホテルに入りました。
二階の入り口から入ったので、エスカレータでロビーに向かうと丁度阪神タイガースの選手がカープとの試合が終わって、出かける(飲みに出る?)所でした(確か阪神が勝ったので祝勝の一杯?)。
10時過ぎでしたが、ロビーには10人くらいの阪神ファンがいて、中には小学校低学年くらいの子どもが選手にサインをお願いしています。
見ていると、選手は断っている様子なので「遅い時間まできてるんだから、してやればいいのに」と思いつつタクシーに乗りました。

タクシーの運転手さんにその話をしたら、返ってきた言葉にビックリしました。
「お客さん、あれファンじゃないですよ。サイン貰ったのを売るんですよ。大人だとサインしてもらえないけど、子どもだともらえる可能性があるので、子どもを使ってるんです」
とのこと

「甲子園球場じゃなかなかサイン貰えないので、広島とかに来た時の方が貰いやすいんよ。関西に持って帰って売るんだそうな。毎回同じ大人がサインねだると選手も『売るんだな』ってバレバレですわ。選手もそれを知っているから、サインはせんよ。そこであいつらは子どもを使うんよ。お客さんみたいな人が近くにいたらあまり子供を邪険には出来んけえ、しぶしぶサインすることもあるんよ。」
ということでした。

まあこれを見たのが阪神が広島の定宿に来たとき目撃しただけですが、多分広島が関西や名古屋、東京の宿に行った時も逆のようなことがあるし、野球やJリーグでも同じなんでしょうね。

ロッテの事件も、これってファンじゃないね。いつもの売人(?)じゃないのかなと思いますよ。私はいい時代にファンになれたと思います。多分東京や大都市じゃこれは難しいでしょう。地方都市のチームだから与えられた機会ですね。


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