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餅撒きの対価は阿吽

週末の神楽の報告をしておきましょう。既報の通り土曜日は荒れた天気だったので、旭山神社は山の上でもありさすがに止めておきました。

翌日曜日の朝は、家の周りのしめ縄から予想通りでしたがほぼ全部の紙垂がおちていて、差替えをする羽目に。
その後夕方まで出かけていましたが、少し秋めいて長そででないと寒いくらいでしたが、ようやく季節に沿ってきたかなという感じもあり、天気も良かったので、会社の方の氏神様「廣瀬神社」の神楽に行くことにしました。
もう一つの「空鞘神社」は神楽殿は立派なものがあるのですが、とにかく境内で見にくいのでこちらはパス。

17時頃からとのことなので、廣瀬神社の神殿でお参りし、丁度「四方祓」が始まったところ。
仮設の神楽殿の前にはブルーシートが広げてあり、結構な人数が座っています。「へ~、神楽って結構人気なんだな」と思ってみ始めましたが、意外とそうでもなかったことは後程判明しました。

四方祓

今回演じられたのは安芸太田町の「土居神楽団」さん。「この夏の猛暑で練習がなかなかできずお粗末な所も…」と言われていましたが、いやいや若手からお年寄りの皆さんさすがの神楽でした。

「四方拝」の後は「頼政鵺退治」でこの辺りから陽が落ちて暗くなり、なかなかの盛り上がりです。

頼政鵺退治

この演目には「鵺(ぬえ)」とありますが、セリフには那須の殺生石も出てきたので「鵺」というより「九尾の狐」を取り入れた演出のようです。石見神楽では「鵺退治」には鵺に味方する猿が観客席に蘭州するものもありますけれど、今回のは違いました。

鵺・九尾の狐

そう、突然桟敷の後方から悲鳴が上がり見て見ると、後ろから真っ白な「九尾の狐」が走りこんできて、子どもらは怖くて泣きわめいて大盛り上がり。もちろん子どもを預かってツーショットもOKなので、キャーキャーの悲鳴がわあわあの歓声に変わっていきます。もちろん舞台に戻れば最後に頼政主従に対峙されて大団円。面白い神楽でした。

その後は「鯛釣」ということで、恵比寿様が鯛を釣りますが、火男(ひょっとこ)らや下男が助けるような邪魔をするようなコミカルなもので、その時に神社の神職の方が何やら撒きます(のちにハッピーターンと判明)。その中に5枚ほど新米と書いた紙が貼ってあるそうで、それをゲットした人は安芸太田の新米5キロをもらえるとのことで、まあ奪いあいで盛り上がります。ちなみに私の近辺には投げられませんでした。

鯛釣

無事に恵比寿様が鯛を釣り上げ、その後神楽の皆様から当選者にお米を渡されました。

この辺りで19時前となり、少々ブルーシートの上にじか座りでお尻が痛くて弱りました。

その後19時にどうやらこの日のメインイベントであった「餅撒き」です。ステージには宮司さんと役員さんに加え、お二人の来賓が登場。

お1人は只今絶賛選挙中の衆議院選挙にこの地区から立候補されている方の奥様。もう一人はこの地区選出の県会議員。もちろん「主人に投票を」なんていうと、選挙違反ですから、甘んじて紹介は受けつつ、「日ごろからお世話になっています」と言外に「何が言いたいかお分かりですよね」を満ち満ちたご挨拶をされ、それをフォローする県会議員も「お前らわかっとるな」風のにらみを利かせての挨拶でございました。まあ阿吽の呼吸という曖昧な日本流でしょうか。

与党の片割れが大好きな「現金給付」と同じで、金やったんだから票で返せ同様に、餅の代わりは票で返せということなのかな。

なるほどこういう登場機会があるから某党は「日本会議」べったりなわけですね。もちろんこの奥様の旦那様は「日本会議国会議員懇談会」の会員であります。廣瀬神社とは「来てね」「出るよ」。「頼むね」「万事承知」のズブズブの関係なんでしょうね。

餅撒きはステージ下の下々に来賓が「お前らにありがたく受け取れ」とばかりに投げ込みます。下々のわれらはもう欲と欲とで奪い合いです。こんなの神さまの前でやるべきことか?と思いつつ、「俺たくさん取ったで」と自慢たらたらの子どもの姿に、明日の日本って…と思った次第でした。

ここの神社は、毎年年末にテレビでおなじみの天満町の「○の餅」さんが氏子なので、結構な量のお餅が撒かれました。○の餅さんも、年末に次ぐ稼ぎ時なんでしょうね。

さて、私もゲットしましたが、とり損ねたおばあさんが残念そうにされていたので、まあ私はラッキーを取ったのだから、そのラッキーを分けましょうとおばあさんに差し上げました。でも後から考えたら、結構な年輩なので餅をのどに詰まらせなきゃいいけどと心配した次第です。

案の定メインイベントの餅撒きが終わると一斉に観客は退散。餅撒きの前後で半分以上は帰ったようで、ブルーシートがスカスカになりました。

餅撒きの後は「塵倫」。

塵倫

これも大陸からの悪鬼が登場するので人気があるものですが、「塵倫」を大陸からのウイルスと見立てて新型コロナの頃はしょっちゅう演じられていました。今は更にひどいことに艦船は来るわ、軍用機も進入してスクランブルするわけですから、まあ「塵倫」がよりリアル化したということでしょうか。

さて5時から2時間半以上ブルーシートの上で座っていましたが、さすがに冷えてきたのと尻の痛みに耐えかねて、今回はこれで退散しました。
あと1~2演目あったのだろうと思いますし、メインは多分「八岐大蛇」だったのではないでしょうか。
まあそれは来月「佐伯区民文化センター」のソファーでのんびりと拝見したいと思いますが、切り落とされる八岐大蛇は、自民党の旧派閥の頭か、あるいは野党の頭か?

ちなみに「土居神楽団」さんはインスタもしているので是非ご覧くださいとのことでした。


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