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タメ口の解説者、忖度のアナ、無能な記者

週末のテレビもこの話題で、同じような場面が繰り返し流され、いささか辟易しないでもありませんが、WBCには驚きました。
間違いなくこの大会は「大谷翔平」選手の大会として長く記憶に残ると思いますし、この姿を見て球児の二刀流への挑戦は増えるのではないでしょうか。

実際高校野球を見ても4番でエースは結構いますからね、それがプロに入る段階でどちらかを選択させられていただけでしょうから、選手の選択肢というよりも、二刀流については球団側の固定観念というハードルの方が高いのかもしれませんが。

先日NHKで「〜WBC栗山監督と名将のノート〜」というとても良い番組がありました。
栗山監督は名将、三原脩の秘伝ノートを読み込み、野球哲学を磨いてきたそうで、三原から中西経由で栗山、そして大谷が生まれ、また仰木経由で野茂、イチローが生まれたという、三原“マジック”の系譜の物語でした。

これはとても良く出来ていて、栗山監督の野球への姿勢がよくわかりましたし、中でも大谷選手の二刀流について「どちらをやるかじゃなくて、どちらかをやめさせることは出来ない選手」という告白には感銘しました。
恐らくプロ野球界の監督で、こういう判断は稀有の存在なのかもしれませんが、それは栗山監督のように学ぶ姿勢がどこまで深められるかが決定するのだと思います。

そういえば、栗山監督が采配する姿をテレビで見て、横顔がふと「仰木監督」に見えました。あれっ?仰木さんコーチで入ってたっけ?と思ったくらい。いや立っている姿も同じでした。これも三原マジックでしょうか。

ところで、私が一番WBCで印象に残ったのはダルビッシュ有投手でした。もう36歳なんですね。
私は彼が第86回全国高等学校野球選手権大会に東北高校のエースとして投げた時に外野スタンドから見ていましたのですが、あれは19年前になります。その前、第三試合が熊本工vs明光義塾は、物すごく緊迫した試合で、同点の9回裏に明光義塾がサヨナラ勝ちしたとても面白い試合でした。
その次が第四試合が東北と遊学館の試合でしたが、私は用事があり抜けなければいけないので泣く泣く中座することになったのですが、席を立とうとしたときに、三塁側から出てきたダルビッシュ投手がキャッチャーを座らせて、肩慣らしで何球か投げ始めました。これにはもう目が離せないというか、アルプススタンドからもどよめきが凄かったのです。
その前の熊工と明光の投手も良かったのですが、遥か遠くに見えるダルビッシュ投手の球の伸び、キャッチの音が全然比べ物にならないレベル。すごい選手だな~とはっきり記憶に残っています。

そのダルビッシュ投手はあれからメジャーでも屈指の投手となり、今回の優勝にも貢献されました。もちろん身体はだんだんと衰えているのだと思いますが、それ以上に人間としての成長を感じます。
もしかしたら三原マジックをさらに受け継ぐ系譜の上に彼がいるのかもしれません。引退した後に、どんな指導者になるのか、どんな選手を生み出すのかも楽しみです。

さてWBCで印象に残ったことのもう一つにテレビ放映があります。
地上波はTBSとテレ朝でやられたのですが、私には解説が非常に聞き苦しかったのです。

テレ朝は「古田敦也と松坂大輔」、TBSは「槙原寛己と上原浩治」でしたが、古田氏と槇原氏の口ぶりが正直タメ口じゃなかったでしょうか。松坂氏と上原氏が丁寧な言い方だっただけに、古田・槇原のぞんざいな言い回しにうんざりしました。まあお二人がペアより先輩だということもあったのかもしれませんが、古田&槇原氏はアナウンサーに対してなあなあで話している感じでした。つまりテレビのこちら側にいる視聴者に向いて話しているのではないのですね。
In a nutshellでいえば、居酒屋でテレビ見ながら友達に話しているノリですよ。

これはどこかであったなと思い浮かんだのが、大相撲の中継です。
私は北の富士氏のぞんざいな言い方が大嫌い。もちろんそれにヨイショするアナウンサーも嫌いです。バラエティー番組じゃないのだからと思いますね。
まあお馴染みの舞の海氏も調子に乗って、力士を卑下することがあるので嫌いなのですが、彼が先輩の北の富士氏におもねる感じも臭い。
お二人のそれはまた、現役の親方が解説の片方に来られた時に、彼らが丁寧な言い回しをするので、馴れ馴れしいタメ口が際立つのです。

不特定多数に対して解説をするのだから、口には気を付けて欲しいと思いますし、私みたいに「何だ失礼な言い方するな…」とカチンとくる頑固ジジイもいると思います。アナウンサーの方も矜持があるなら、タメ口に迎合しないようにされるのが宜しいのではと思います。

そして帰国後のこの記者会見ですが、酷かった…。記者って普段何も考えてないんでしょうか、選手の良い回答や反応を引き出せないとしたら、それは質問側の責任。質問がろくすっぽどころか全くできない記者陣の質問に唖然としました。
解説者、アナウンサー、記者の皆さんには顔を洗って出直してほしい。

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