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在所の木を大切に
まちづくり、賑わいづくりって何?っていうのを感じますね。
この市民球場跡地は前市長、現市長ともにいい加減な対応だったと思います。前市長は退陣のタイミングだったのでそのまま棚上げし、現市長も真面目に対応しなかったので紙屋町が衰退したのは事実。サッカースタジアムの移転地問題にからめる向きもあろうが、その間、地元新聞社やテレビ局などが中心になりイベントを持ち回りで開催しましたが、この場所代が格安だったことに付け込んで濡れ手に粟の商売三昧ということもありました。
ようやくサンフレッチェの新スタジアムが来年春に完成ということもあり、体裁を整えたいとこのような施設となったのですが、これで本当に良かったのかな。
市内中心部の再開発の一つのコアであるし、原爆ドームに隣接ということは、観光客も含めて多くの人が集まりやすい場所であることは間違いないが、16店舗を決めたようですが、広島県内にゆかりのあるのは「LUCKY BAKERY」「お好み焼 てっ平」「RIDERS」「野良道具製作所」「FITNESS YOGA STUDIO sur」の5店だけで、後は中四国エリア・広島初出店が11店。それでいいのかね。
思い出すのは、昔、今回も店を出すカフェチェーンが長野市になかったので、ある女性が「スタバはイケてる街のシンボル」として誘致、当時の県知事にも掛け合ったというのがありました。
まあ、新幹線の誘致みたいなもんですわ。新幹線が通ると在来線が廃れ、駅も日本中どこでも見るような新幹線の駅になる。来訪者が増えるのは一時で、気が付けば流入より、流出の路線になってしまう。
同じように、スタバが来ると地元の喫茶店は駆逐され、気がつけばスタバやタリーズみたいなチェーン店ばかり。落ち着く喫茶店は数えるほどになりました。
本当に大事なのは、昔からそこにしかない店だし、長野でスタバが飲めなくても、いいじゃないか。スタバがあるから長野市が都会になるわけじゃない。
同じように今回の広島市の中心部のこの場所に中四国初出店、広島初出店の他県資本の店を出して原爆ドームが喜ぶのかな?
記事には「スタバを待っていた人がたくさんいる。(県内の)どこにできても、にぎわいの拠点になり、街に元気が出る」
長野市の人口動態の中で出生死亡を除いた社会動態をみると
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この誘致がされた平成15年にぐっと転入が増えたわけでもなく、傾向として転入より転出が上回っているのに変化はない。まあ誘致の結果、転出がこれくらいで済んでいるという論も成り立つかもしれませんが。
今読んでいるのが正月にあった「欲望の資本主義2023 逆転のトライアングルに賭ける時」で紹介されたダニー・ドーリング博士の「減速する素晴らしき世界」です。
冒頭、我が国が成長を終え原則を始めている現状を例として取り上げて書かれている。その中には国内の移住もある。移住先の選択にはスタバがあろうがなかろうが関係ない。全国一律、世界一率のチェーンの飲物を選ぶのか、その地域独自の飲物を選ぶのか、生き方の視点から読むこともできる。
スタバ誘致や、今回の「シミントひろしま」は、減速していることを見ないようにしている全国チェーン、都市開発コンサルタントによる愚策だと思います。
そういえば、先日青空文庫で津村信夫さんの「果物の木の在所」を読みました。まさに長野県の話です。
この話の最後に「小布施」で蜂蜜を求める話があります。お店のおじいさんは「これは小布施の蜂蜜だから口に合わない」となかなか売ってくれません。小布施は栗の名所なので、蜂が集めた蜜の中には栗の蜜も交じって栗の花の香りがする…というもの。なるほどねぇ。スタバ誘致の女性より、このおじいさんの方が私は好き。
スタバのカフェはどこに行ってもスタバの味ですぜ。
タイトル写真は広島で一番美味しい(と私が思う)コーヒーの焙煎屋さんのコーヒー豆。毎朝「美味しくなあれ」とカムカム風に挽いて頂いています。
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