Keep Calm and Choogle On
ハリーポッターは、ヴォルデモートが両親を倒した時にヴォルデモートの魂のかけらが身体に入ってしまい、期せずしてヴォルデモートの分霊箱の一つになります。そのために枯葉体験な苦悩にも陥るのですが、一方ハリーが優秀な魔術師である理由の遠因がそこにはあったのですね。
人は皆、何らかの経験、体験の蓄積により形づけられます。その体験とは、ある意味でハリーポッターの中に飛び込んだヴォルデモートの魂のかけらみたいなもの、普段はその存在に気づきもしませんが、ある拍子にその欠片の存在に気づき、自分の多くはさまざまな欠片が潜んでいることに気づきます。
先日タイトル写真にあるようにCCRのドキュメンタリーライブの映画を見に行きました。
このロイヤルアルバートホールのライブのセットは去年イギリスから取り寄せたセルフ誕生日プレゼントですから、DVDも見ましたが、映画館の大スクリーンと音響で観戦したかったのです。
タイトルの「Keep Calm and Choogle On」はこのボックスセットに入っていた赤いシールに書いてあるもの。Keep Calmは「落ち着けよ」、Choogle Onは「よろしくやろうぜ」という雰囲気ですね。「カッカしないで楽しもうぜ」というのが最適かも。
前から二列目のど真ん中、B列ということで目の前のスクリーンは確かに大きかったのですが、音がもう一つ。ああ、爆音で聞きたかったです。
出も聞きながら私の身体にはCCRの欠片がはいっていること、その欠片が自分の好きな音楽の道を示してきたことに気が付きました。CCRのロイヤルアルバートホールのコンサートは本当にヒット曲ばかり、欠片が入っているから、映像見ながらやっぱり歌えるんですよね。
コンサートの12曲、「ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」(ナッピー・ブラウン)と「グッド・ゴリー・ミス・モリー」(リトル・リチャード)以外の10曲はジョン・フォガティの曲(一部トムと共作)ですから、本当にすごい才能だったと今更ながら感心しました。
あらためて私はCCRを入り口として、サザンロックを聞くようになり、オールマンブラザーズが好きに、リズムアンドブルースもシカゴブルースが、カントリーソングもウィリー・ネルソンはじめいつしか普通に聞くようになった原点はここだったのだなと思いました。
映画の最後はキープオンチューグリンで終了、その後15分のスタンディングオベーションがあったとありましたが、ロンドンの観客にうけたのは、やはりブリティッシュ・ロックのベースにリズムアンドブルースがあったからでしょう。
CCRのこのロイヤルアルバートホールのコンサートは1970年4月。ビートルズ解散発表の4日後という時期でもありましたが、ビートルズの進めた「マジカルミステリーツアー」路線(?)が決してイギリスの主流だったわけではありません。
CCRの演奏を聞きながら頭をよぎったのはこれまた先年亡くなったフリードウッド・マックのピーター・グリーン氏のこと。彼の『ビフォー・ザ・ビギニング 1968-1970〜ライヴ&デモ・セッションズ』はコロナ禍での私の愛聴盤でした。そうなんです、CCRがコンサートをやっていた時、フリートウッド・マックもまたこういうのをやっていたのです。そりゃこういう曲が好きなイギリス人はCCR好きなはずです。
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