見出し画像

春は遥かに遠い

今朝は雪だ。例年に比べると少し遅めの光景だが、寒いな。

先日の朝、新聞を開いてビックリ。
「防衛省が人工知能(AI)技術を使い、交流サイト(SNS)で国内世論を誘導する工作の研究に着手したことが、複数の政府関係者への取材で分かった。」とある。

ここまで露骨にやるんだと思いました。自民党が去年Dappiと握っていて騒動になった(今はうやむやか?)けどね。

政党が政党交付金でやるとなると大きな問題だが(金に色は付かないからわからないだけか)、今回政府がやるというのだとしたら大変どころの騒ぎではない。さすがに総理大臣が「事実誤認で、あり得ない」と言ったり、防衛大臣が火消しをしておりますな。
しかし、防衛大臣のブリーフをよく読むと、ちとキナ臭い。

https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2022/1213a.html

中に
「Q:今回の研究は、悪用しようと思えば国内世論工作もできるけれども、本当は違うんだと、これは外国からの情報戦に対抗するために、外国の手法を学ぶためにそういう研究をしたんだということですね。
A:それは今、お話したとおりであります。もう1回繰り返させていただきますけど、偽情報の見破りの分析、そして迅速かつ適切な情報発信等を肝とした認知領域を含む情報戦への対応が急務であり、所要の能力及び体制を整備することを目的としているということであります。

(中略)

Q:悪用もできるじゃないですか。
A:悪用はしませんから。

猿芝居も甚だしい、「出来るかもしれないけどやらないよ」なんて言ってるわけだが、信じられない。信じられなくしたのはこの政権与党のここ数年の所業を見ればわかる。
もちろん防衛省が「反撃能力」を保有することに舵を切ったのも、もともとそんなことは兵器を持っていても許されないことだったはず。つまり「出来るかもしれないけどやらないよ」だったはずだ。
やはり空手形を乱発する政府、与党と言わざるを得ない。

また先日やっていたこちらの番組、今に重なる。
昭和天皇は色々理由は述べるが、結局は「勢」には逆らえなかったと、大元帥としての責任を負わない姿に見える。

後編の最後に、初代宮内庁長官の田島道治が、昭和天皇と話す会話に、将来振り返ると岸田首相と重なるであろう所があった。抜書きします。『』は昭和天皇、「」は田島長官。

「世の中の事は理屈で平静に考えますれば、問題のありませぬ事も、其場に臨み、その空気、勢というものに支配されますと、随分人間は愚かものでありますので、いく所までいかなければ、目がさめぬものかと感じまする」

『そうだよ 戦争の場合も同様で、私など戦争を止めようと思っても、どうしても勢に引きづられてしまった』

「ハイ、矢張り芽生への時に、勢を押へませんければ、勢が勢を作って、人力ではどうにも参らなくなります。
陛下の仰せのやうに、戦争の事を遡りますれば、昭和三年の張作霖事件の時に河本大作を処分しなかった事に帰しまするので、勢というものは実に恐ろしいものであります」

『そうだ結局、勢というもので戦争はしてはいかぬと思いながら、ああいう事になった』

我が国は歴史に学ばない国だから、過ちを繰り返し、悲劇のおきた後に嘆くのだ。岸田君も私はそういうつもりではなかった、与党の勢に…というのだろう。浅はかな選択は、国民の命を守るのではなく、悲劇に差し出す事に相違ない。春は遥かに遠い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?