見出し画像

What are you prepared to do?

先週図書館で借りた本「シェフたちのコロナ禍」。丁度一年前までの状況なのだが、シェフだけでなく著者もコロナ対策で翻弄した飲食店への政府、自治体の対応についての不満をあちらこちらで見ることができる。

私は以前も書いたが、本当に心配だったのはお父ちゃん、お母ちゃんでやっている町の飲食店。近所のいつもの店がコロナの政策で振り回されることだった。町の昔ながらの小規模店は本当に弱い。後継者もなかなかいないので、体力と資金で先行き…というところもあったと思う。飲食店は利益率は高いが、零細食堂は決して利益額は多くはない。利益額が高いのはこの本にあるようにブランド力がある店、何店も出店する体力のある店。もちろんこの本は東京のお店ばかりだから、飲食店の市場規模も大きいし、文中からはお金を潤沢に落とするセレブ層も顧客には多いと見る。だから私には正直ピンとこない。そういう店もあるだろうね~という薄っぺらい感想になるのだ(もちろん当事者は本当に大変だったと思うし、努力に頭が下がります)。

ただ言えるのは政府や自治体のやった「夜の街」「飲食店」をターゲットにした時短、閉店の要請は正しかったのか?という検証。つまりどれだけ効果があったのかという検証結果が見えないことだ。この本は直接は書いていないが、行間にたんまりと織り込まれており、本当にその通りだと思う。
確かに新型コロナが上陸し、広がっていった時はわからないことが多々あった、というよりは正直まったくわからなかったろうから、過剰に反応したり、クルーズ船であったように厚労省ですら甘く考えて自ら感染したり、広げたりということもあったので、五里霧中だったということは理解できる。でもあれから2年だからね。実際どうだったのかは少なくとも担当の行政である厚労省は明確に告知すべきだと思うし、同時に各自治体の保健所も責任があると思う。それには間違いもあろうし、訂正すべきは訂正することも必要だが、これが我が国の役人が最も苦手とする所だというのも承知している。

さて先週地元紙を見たところ、三面の片隅に本当に小さく記事があった。本日のタイトルがそれだ。「ワクチン一回2700円」というもの。


「財務省は13日、新型コロナウイルスのワクチンについて、国が負担する購入費用は全国への配送料などを含めて1回当たりの平均で約2700円と明らかにした。これとは別に、医療機関に支払う接種費用が1回当たり平均3700円程度と説明した。

財務省によると、米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカ、米ノババックスの4社から計8億8200万回分の購入を決め、2兆4千億円の予算を計上。割り算すると1回当たり約2700円となる。接種費用は、希望者への2回接種がほぼ完了した昨年11月末時点で算出した。」


他の電子版を見るとさらに「自治体や企業が実施する集団接種の会場設置費用なども国が負担している。」とあった。4月14日までの接種者は263,124,831人だそうだ。

ということは接種済み人数×2700円だから7100億円、接種費用をあわせると6400円だから1兆6800億円支出ということになるな。さらに自治体の費用、会場費、バイト代等々、国から金が付くものは自治体はじゃぶじゃぶだから、それに8千億くらい使ってしまい、2兆4千万の予算ももう使い果たしているのだと推察する。
それと緊急事態だからと医療関係者に特別手当(?)を出したよね、これは正しい判断だと思うが、そのお金はこれに入ってないでしょ。正味コロナに関してどれだけの収支だったんだろうか?收は税金だから後からふんだくりゃええと思ってるんだろうけど、知りたいよね。

そしてワクチンの方だが、8億8200万回分のワクチンに対して2億6300万人しか打っていないから、残りは6億回分ある。でも在庫以外に失敗して捨てたものや、アストラゼネカなんかは台湾など他国に分けたから、減ったとしても正味在庫は5億5千回分はあるんだろう。なるほど、若年層に打てとか、早く三回目を打て、来年からは四回目のブースターショットだ!というのはこの在庫一掃セールを意識しているのかもしれんな。


で最も気になるのは、ド素人のわたしでもそこんとこ知りたいと思うのに、この記事だした(共同から)新聞社は追っかけないのかね?財務省の発表の垂れ流しだけ?掘り下げるのはアンタッチャブルなの?
ちなみにタイトルの「What are you prepared to do?」は映画のアンタッチャブル(ブライアン・デ・パルマ監督)のショーン・コネリー演じた老警官マローンのセリフ「次に打つ手を考えろ」っていうやつです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?