見出し画像

投手交代

「やってみないとわからない」というのを昨日アップしたが、丁度この間読んだ本でもそれを強く感じた。その本は

実は私の会社の社員の勉強の一環で、半期に一冊は本を読んで欲しい、内容、ジャンルは問わない。漫画でもいいし、薄っぺらいものでもよい。とお願いしている。

実は昨年、本を全然読んでいない、いや読む習慣がない人が多いことを知り、じゃあ仕事のことに限らず人生に大事なことをどこから学んでいるのか?というのが不安になり、とりあえずお願いしたのである。その中の一人がこれ読んだと教えてくれて、貸してくれたのだ。
とても面白いし、考えさせられた。


私にとって落合氏は少し年上なだけだから、選手としても監督としても良く知っているように思っている。空前絶後の選手であったことは間違いないし、監督としても凄いと思っていた。
この本にもあるが日本シリーズで完全試合寸前の山井投手を8回で代えた時はとても驚いた。丁度、先日の佐々木朗希投手の2回目の完全試合目前での交代もあったタイミングだったから、とても考えさせられた。
私はいずれの交代も特に異論はない。一番よく知っているのが投手本人だし、ベンチだったと思う。投手は当事者なので判断は付けづらいだろうが、決定権者はベンチ(監督)にあるのは間違いないので、その監督が何らかの理由(山井は怪我と日本一、佐々木は疲労と将来性)で決断を下したわけだから、門外漢は四の五の言うべきではなく、その素晴らしいピッチングを堪能した幸運を喜べばよいだけだ。

この本は落合監督のことを書いているが、今まで日本にはいなかった、また今でもいないかもしれない監督のスタイルだったことがわかる。もしかしたら佐々木を交代させた井口監督が似ていくのかもしれない。球団やマスコミ、ファンは昔ながらの監督のスタイルしか知らないから、落合監督のような振る舞いや決断が異次元のこととして理解できない、そういうことだと思う。そういえば佐々木投手と審判のトラブルも取りざたされているが、落合監督の抗議と退場のルールについても書かれていたが、井口監督にもつながるような気がする。

本には、ドラゴンズのそれぞれの選手のある場面を切り取って、そこにおける落合監督との表には出ない感情を書き出すことにより、パッチワークのように落合監督像を描いている。見事だと思うし、冒頭に書いた「やってみないとわからない」はまさに「その場にいないと、当事者でないとわからない」であって、古い眼鏡をかけたマスコミが理解できなかった(理解しようとしなかった)、またそのマスコミ経由でしか情報のないプロ野球ファンが、なんとなく落合監督のつかみどころがなかったのは、そういうところだったのではないかな。旧人類は新人類のやっていることが理解できないということだろう。


キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の冒頭のシーンは類人猿が骨を武器として使い始めるという有名なものだ。今まで道具として考えもしなかった旧類人猿が、道具、さらに武器として使うことを覚え新類人猿に進化したというシーン。落合監督を新類人猿に置き換えたら、そのやり方が全く理解できない旧類人猿が我々だったと言えよう。


この本で取り上げられた選手たちは自分自身の巨大なそれぞれの壁にぶち当たっている時に落合監督に会う。そしてもがく中で自分がいつしかその壁を越えつつあることに気がつく。落合監督は「本人が気がつく時まで手を出すな」と言っていたそうだ、そのギリギリもがく所を自分が自覚しないと、本当に次の段階に行けないことを意味しているのだと思う。

カープは今季、四番打者がいなくなり、中継ぎも不安定という課題を昨シーズン終了後に言われていたにもかかわらず、そのまま放置されてシーズンに突入してしまったので、惨憺たる結果ではないかと思っていたが、意外とよくやって、どうやらこいのぼりの時期までは持ちそうだが、まあその理由はタイガースの悲惨な状況の棚ぼた効果でもあるだろうね。
ただ、タイガースのおこぼれにいつまでもすがっては仕方ない。やはり4番は辛抱して育成するしかないので、ピストル打線に徹することだろうし、中継ぎも現状でやりくりするしかないが、ブルペンコーチは適任か?
この本を読んでいくと、ブルペンコーチに岩瀬仁紀氏が来ないかな~と思うのだ。中継ぎ投手は能力的に広島の投手は決して他球団に引けを取らないし、しっかり押さえる力はあると思う。しかし安定しない。今のブルペンコーチは横山竜二氏だと思うが、彼はその経験がやはり浅いだろう。
高い金をかけて補強できないのだから、今の選手の能力を伸ばすしかない、それも技術でなくハートだろう。そういえば4番のポスティングで入ってきたお金はどうしたのかな?それを岩瀬氏の招聘費にすればよかろう。お金は生きた使い方をしないと意味がないよ。

タイトルバックは今朝の地元紙から一部を拝借。「まぶしい勇姿」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?