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坂茂先生の紙管ユニット
前に「大禹謨」の所で少し書きましたが、広島の安佐南、安佐北区の土砂災害の時にお手伝いしたのは避難所におけるプライバシー保護にとても役に立つ紙管と布で簡単にできる間仕切りの設営でした。
また宮城県の女川町に行ったこともnoteに書きましたが、その時見て仰天したのが坂茂先生のコンテナを使った住宅「コンテナ多層仮設住宅」でした。そしてその後、水戸芸術館現代美術ギャラリーの坂茂先生の展覧会に行った時、この紙管ユニットを見て本当に感心したのです。
骨組みになる紙管は世界中どこでも標準品が手に入り、布も現地調達は容易、さらに組み立て方法も簡単ということなし。とにかくある期間集団生活をする中で、プライベートゾーンの確保はとても重要だということなんです。
それをまさか広島で…とは思っていましたが、実際に組み立てを手伝う場が生まれてしまいました。
実際にやってみると、作業自体はそれほど大変なものではありませんでした。しかしその時私が「大変だな~」と感じたのは、公民館や学校の体育館での受け入れの方でした。
その場には多くの家族がおられましたが、体調の管理やその他のためでしょうか、行政の方は体育館の場合ステージの上から見守っていました。その関係で、視野を妨げる構造物を嫌がります。また公民館でも幾つかの部屋に分かれていると、館員の方が見回る際、これも一見できないと不自由だということなんです。故に避難者のプライバシーはわかるけど…とマッチングするのがとても大変なことが分かりました。
もちろん突然の緊急事態ですから、行政の方の優先順位としてもプライバシー確保を決して高く位置付ける余裕はなかったでしょうし、そもそもこういった紙管ユニットについての認識もほとんどなかったように思います。当時は床に直に寝るのではなくせいぜいビールケースで、それ用の段ボールベッドなんか十分にはない時期でした。
その後も災害の度に、この紙管ユニットをニュースとかで目にし、坂先生の本当に素晴らしい仕事に感銘をうけて頭が下がります。
なんと、今回もウクライナ難民の方に対して提供されています。すぐに動く現地ポーランドの方、行政の方も偉いな~。けど、本当は一日でも早く故郷に戻り、自分の家で生活できることを心から願いたいです。
タイトル写真は、広島での紙管ユニットの写真です。
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