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誠、現金書留、ペロンチョ

文学界の6月号に乗代雄介氏の「それは誠」が出ているのでいそいそと購入しました。

これは面白い、先日女性作家による青春小説のことを書きましたが、これはまた素晴らしい青春小説です。
雰囲気としては恩田陸氏の「夜のピクニック」が近いのではないでしょうか。

私は「ピクニック」は平成の青春小説ではNo.1と思っていますが、今回の「誠」はそれに比肩する令和屈指の青春小説と読み終わりました。まこと(タイトルに掛けています)に読後感が宜しいです。

「それは誠」を読まれていない方は申し訳ありませんが、この中にうらわ美術館であった「大・タイガー立石展 世界を描きつくせ!」が出てきます。

確か日曜美術館で見たな~という記憶が薄っすらありましたが、この展示会は埼玉県立近代美術館とうらわ美術館の共催だったようです。

「それは誠」の最後にタイガー立石氏の未完成の絵本「かいじゅうペロンチョ」というのが登場します。こういう箇所(一部無断で引用)。

「展示の最後の方に『かいじゅうペロンチョ』って絵本の作りかけ?みたいのがあってさ、それ読んで結衣ちゃん泣いちゃったの。展示のガラスに、大粒の涙をぽたぽたと-」

この「結衣ちゃん」はあまり出てこない登場人物の一人なんですが、彼女の琴線に触れた絵本は結衣ちゃんの性格を表しているようで、どういう作品なのか知りたくなりますね。
ところがググってもこのペロンチョが出てこないので、美術館の図録を取り寄せることにしました。

うらわ美術館のサイトを見てみると「現金書留」のみとあり、それも本体価格2640円+送料1040円、さらに送料は切手を入れるように書いてあるので、少々面倒だなと思いながら、郵便局に行き、先ずは現金書留封筒を購入。これが21円でしたが、あれっ、以前の現金書留封筒と違う~と郵便局のサイトを見ると、なるほど変わっていたのですね。知らなんだ…
正直言うともう一世代前の、裏にビラビラの複写紙が沢山ついて、上部に現金封緘紙なる印紙みたいなものを貼った形式の記憶しかありませんでした、ジジイだなあ~。

確かに今はカード決済やEマネー時代ですから、こういう現金のやり取りは本当に久しぶりです。それなりに記入や、押印、封緘も楽になっていましたが、やっぱり時代遅れかも。

申込と現金を入れて郵便局にもって行き、返信用切手を買って中に入れて封緘しました。送料は529円。結構郵便局の売上に貢献したような気持ちになりました。

さて数日してうらわ美術館から図録が届きました。

ウキウキしながら「かいじゅうペロンチョ」を探しましたが、残念ながら一見して見つからず。発見して「結衣ちゃん」の性格を知りたかった。
でも週末に一枚ずつ探ってみようと思います。
が少しわかったような気がしました。

ところでこの作品、今年の上期の芥川賞候補作品に選ばれました。嬉しい。

でも芥川賞かなぁ。

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