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かいぶつたちはいなくなった?

映画とテレビドラマの差か?

途中から見たのですが、あまりよくなかったです。
映画の金田一耕助の役は石坂浩二氏でしたから、今回の吉岡秀隆氏とはいい勝負。

それより犬神家の三姉妹が登場してからはガッカリ。
松竹梅の松子は大竹しのぶ、竹子は南果穂、梅子は堀内敬子ですわ。まあ演技ができる人を選んだのでしょうが、映画の三姉妹と天と地だったのは存在感です。
特に松子という不気味さ、怪物感は高峰三枝子の足元にも大竹しのぶ氏は及ばないのがハッキリしていました。大竹氏は不気味さを演じているが、高峰氏は松子という怪物になりきっている感があります。普段割合好感度の高い役を演じている大竹氏、更にバラエティ番組でも天然風のウケをしているだけに、松子という不気味さの背後に軽薄さや明るさを見る側がイメージして、怪物には見えないのです。
これがテレビ&舞台俳優と映画俳優の違いか。

一方高峰三枝子氏でなく、金田一役の石坂浩二氏を思い起こして感じるのは下手な役者だったなぁということ。
氏の清潔感とか永遠の好青年感はなんとなく理解できるし、だからこそ役柄もそういった枠内ばかりだったでしょう。

これはキムタクや福山雅治氏にも共通するもので、役柄に変化が全くない。
テレビ俳優の場合、受けた役柄をそのまま次のドラマでも踏襲するので、結局役の幅が狭くなります。仮に石坂氏が若いころに「島耕作」シリーズがあったら、彼は『課長・部長・取締役・常務・専務・社長・会長・相談役』とスルっと演じられるでしょうし、これは石坂氏だけでなく、キムタク・福山氏でもスルっとできる役柄。逆にそれ以外の役の幅は狭いんですけどね。
男優女優ともに美形で売っていた人は年齢と共に出来る役がなくなる。あるいは無惨にも若作りのままの古畑任三郎みたいな感じ。

しかし、その対局にいるのが高峰三枝子氏だったのだと、つくづく敬服した次第です。
じゃあ今、怪物的な存在感があり、幅広い役柄ができる役者は誰か?なかなか思い浮かばないのです(美輪明宏氏は怪物ですが、どっちかというと怪物的な役柄しかしないという幅の狭さが残念)。

それは映画の作り方もテレビ的になったことも更に小粒化を加速化させているのかも。また更に更に動画配信となると俳優は単に素材になっていくのでしょうか?

「かいぶつ」ではないですが、「かいじゅうたちのいるところ」はスパイク・リーが映画にしています。


さて犬神家の後半は週末にありますが、お付き合いはどうするかなぁ。

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