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無伴奏チェロ
西条のメインは「くらら」であった「ゴーティエ・カプソン 無伴奏チェロ・リサイタル」でした。くららの館長さんからご招待をいただいたのですが、「鈴木さんの娘さんチェロやってたでしょ、来ませんか」とのあたたかいお言葉と招待券。
https://kurara-hall.jp/event/gautier-capucon_unaccompanied-cello-recital/
案内チラシと一緒に頂いたのですが、曲目は
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第 1 番ト長調 BWV1007
H.デュティユー: ザッハーの名による3つのストローフェ
Z.コダーイ:無伴奏チェロソナタ op.8
とのこと。バッハとコダーイは聞いたことあるけど、デュティユーって誰?そんなレベルなんです。
それにチェロのソロだからあまり迫力もないのかな?とも思いつつ会場に着いたら館長さんがおられ、少し案内してもらいました。そう、ここはアカデミー賞を取った「ドライブ・マイ・カー」の主要ロケ地。西島氏になった気持ちで記念撮影しました。また「さっきリハーサル聞いたけどすごかったよ」とのこと。ホンマかいな?と思いましたが、いやいや凄いどころじゃなかった。
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演奏はバッハの前にカザルスの「鳥の歌」から。英語で話されましたが、そりゃそうだな、この時期だからチェロのこの曲はどういう意味があるのか聴衆は自ずとわかる。私も涙があふれました。
曲の後は間をあけずすぐにバッハに。バッハの無伴奏チェロは聞く機会がそれなりにありますが、この演奏はすごい。何が凄いかといえば音が凄い。チェロってこんな豊かな音だったっけ?と思いつつ厚くまた繊細な音に浸りました。
で、聞いたことのない「デュティユー」ですが、これって現代音楽じゃ。あらゆるテクニックを駆使しての演奏。えっ、チェロってこんな演奏方法、音が出るのか!とひたすら驚きつつ休憩に入りました。
後半はコダーイ。あまりコダーイって聞かないのですが、資料によるとハンガリーの作曲家とあり、なるほど、ロマ(ジプシー)の旋律が各所に入っていて、これまた演奏方法も含めて目が離せなかった。そうそう、私も最初は椅子に深々と座っていたのですが、鳥の歌の途中から背筋ピンっ!少々前のめりの姿勢で聞いたコンサートでした。
アンコールはスタンディングオベーションだった。アンコールの前後に何度も拍手、四、五回くらい登場してくれたのだろうか、会場は大きな拍手の連続で、カプソン氏の熱演が観客の感動を引っ張り出したのを実感。
さてアンコールで演奏したのはハビエル・マルティネス・カンポスの「アンブル・チェロ」。これがまた凄かった。
先ほどのコダーイも西欧音楽から行くと辺境の地だから、ロマの雰囲気が随分感じられたが、このカンポスはスペインの現代作曲家だそうだが、曲を聞くとホーミーみたいな倍音、ソロの演奏なのに高い音と低い音が揺れながら聞こえるのだ。高い方はボリウッド映画の国民的女性歌手ラタ・マンゲーシュカルさんが唄っているかのように、低い音はまさにホーミー。曲の雰囲気は中央アジアから南アジアでしょうか。
実はこのコンサート招待をいただいたので、受付の所にサイン入りCDを見かけたので、お礼代わりに早々に購入したのです。先着サイン入りでなんと3枚CDで2900円のお得版だな。この中の1枚はSOLOとあって、この日演奏した鳥の歌以外の曲、カンポスの曲も入っていた。もうヘビロテ、繰り返し聞いています。
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かつてはワールドミュージック、今はグラミー賞ではグローバル・ミュージックというようだが、クラシックでもまさにそのグローバルが新境地を開拓しているように感じました。
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