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ラジオと図書館とオンライン講座

私は洋楽(今のは苦手)と読書が趣味というか生活に不可欠になっている。洋楽はサブスクも便利だが、お薦めはあまり使わない。基本的にラジオの音楽番組をいくつか愛聴し、そこで新たな世界を知ることが多い。なんといってもラジコによって地元の局以外を知ることが出来たのは大きい。今は洋楽(古い)番組は地元局ではほとんどない、トーク番組かこの3末からは野球中継で、レコードがかかることは稀じゃないかな。FMもたいして変わらない。

その中の一つもう10年以上も聴いているのが、NHK-FMの日曜の朝は「ウィークエンドサンシャイン」である。ピーター・バラカン氏の選曲は素晴らしい、ワールドミュージックへの広がりを知ったのはこの番組からだったかもしれない。
先々週この番組でザ・ポーグスの「ザ・バンド・プレイド・ワルツィング・マティルダ」が掛かった。「ワルツィング・マティルダ」ってオーストラリアの第二の国家っていうやつじゃないの?と思ったのだが、この曲は「ワルツィング・マティルダ」をベースにした曲なのだが、かつてオーストラリアとニュージーランドが参加したガリポリの戦いを描き、戦争がいかに愚かなことか、特に自国でなく他国が戦場の虚しさを感じさせるものだった。ピーター氏は曲をかける前に「曲の後にこの歌の背景を説明するので、このあたりの地図を準備して下さい」と言って、まこと丁寧に説明をされた、この辺りは氏が並のDJではないことを改めて感じた。


さて丁度、図書館で予約していた本が準備できましたという連絡があり、取りに行きました。数冊借りた中の一つが「歴史を動かした重要文書 ハムラビ法典から宇宙の地図まで」(ピーター・スノウ、アン・マクミラン著)でした。彼らは英国とカナダの方なので、取り上げられていたのは地中海世界が多く、さらに中世以降はどうしても圧倒的に西欧中心になるのはそうなんだろうな~と思うが、それ以外の地域は中印「易経」と「マハーバラタ」だけっていうのは、西欧が世界を回してきたという意識が拭えないのだろうな。

その中の全く知らなかった重要文書として「フレデリック・タブのガリポリ日記」というのがあった。ナニコレ?と思ったが「ガリポリ」とあったので、「ああ、ウィークエンド・サンシャインでやっていたガリポリのことなのか」と読んだのである。多分ラジオ聞いてなかったら「何じゃこれ」とスルーしていただろうな。


さて実はその本を読んでいた日曜日だが、午後Webで「同志社大学古典教材開発研究センター 第2回研究集会『古典籍×教材性』(第4回コテキリの会)」というのがあり参加していたのだが、これはなかなか面白かった。

教育現場で古典の本を使う意味、教え方みたいな話で、その中に「崩し字」の読み方、教え方とかとても興味深かったが、中で一番感心したのは「日本の場合、和紙で綴じ本にしているが、なぜか?」という話だった。
それは日本は江戸期になる迄、長く原本を手書きで写していたからだとあった。木版とか銅版というのは江戸期になってからで、それまでは原本あるいは手本の本を見ながら書写していたのだな。当たり前といえば当たり前だが、筆で和紙が書きやすかったことは大きいし、結果的に和紙なので保存にも強かったのだな。
国立歴史民俗博物館がクラウドファンディングを使って、1300年前の正倉院文書をデジタル化するプロジェクトが始まったが、それはそもそも原本が正倉院の中で保存されていたこと、保存できる紙であったことが大きい。当時の官庁が作成した文書や諸国からの報告書が入っているので、そういう面でもなんでピーター・スノウ、アン・マクミラン氏は「歴史を動かした重要文書」にこういうの入れないのかなと思う、東洋の辺境の出来事だからか?

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