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「お役所仕事」も昭和の死語なのか?

先日、尾道に行ったことは書きましたが、そこで驚いたことをもう一つ紹介します。美味しい晩飯を食って駐車場に戻ると丁度トイレに行きたくなりました。車を停めたのが、尾道市役所の駐車場(日曜の19時頃停めたからガラガラ)だったので、市役所のトイレをお借りしました。

トイレを使って女房が出て来るのを待っていると、丁度住民課のサービスカウンターの前だったので、なんとなくカウンターに置かれた「証明書等交付申請書(タイトルバック)を手に取り、ビックリ。

私は広島市の住民なので、こういう交付は広島市の区役所以外に行ったことはなく、当然ながら広島市の交付申込書しか知りません。で、この尾道市の申込書、広島市のとはずいぶん違うのだ。広島市は住民票、戸籍、印鑑証明それぞれ違う紙に記入することになっている。しかしこの尾道は一枚の共通。確かに大きさはA4で広島のA5サイズよりは大きいが、一番上に申請者欄があり、住民票や戸籍など複合した申請をするときは楽ちん(広島の場合はその紙ごとに申請者を記入する必要あり)。

多分広島の人は広島市から転出するまで、いや多くの人は一生、今使っているそれぞれの申請書方式が当たり前だと思うのだろう。しかし、やはり尾道スタイルの方が便利だ。当然ながら住民票、戸籍、印鑑証明自体はフォームが違うこともあろうが、記載内容に過不足はないはずだから、その申請書も共通フォームであってもおかしくないだろう。しかし、「ワシは政令指定都市じゃ」というような変なプライドや、縄張り意識があるんだろうし、正直今まで付き合いのある出入りの印刷屋さんとの関係で「今まで通り」にしたいのかもしれない。でも、政府がDXとか電子申請とか旗を振っているから、こういう仕切りも風前の灯だろう。

さて電子申請で思い出したのが、先日広島県に会社の関係で申請することになった。サイトを見ると事前に確認で電話するようあったので、電話したら「申請書できてますか?あっ出来ている、じゃあ説明資料と一緒に送ってください」「持参しますが」「いやメール添付で」とのこと。三日ほどしたら電話があり「先日の申請ですが、一部説明を聞きたいので○日にお越しいただけますか?」とのこと。「○日で申請締め切りに間に合いますか?」と聞いたら「いや送っていただいたもので申請は受付完了で、審査の際に私が説明する内容確認でお越しいただきたいのです」

とあって、本当に驚いた。○日に伺い、補足説明をして完了。結局原本を提出したのは登記簿謄本だけで、後はメール添付の資料で完了済み。もちろん押印は廃止だし、先方から「訂正する箇所があれば私の方で頂いたワードのものを訂正しておきます。もちろん最終版の前にメールで確認してもらいます」だって。本当にビックリした。もちろん単位自治体では先程の証明書の発行もバラバラだし、広島県も全部の部門でこういう対応になっているとは思わないが、それでもコロナのステイホーム、リモートオフィス、印鑑廃止はあの腰の重い行政でも強烈に進んでいるのだ、書類のたらい回しや対応の悪さ、遅さは「お役所仕事」と言っていましたが、どうやらこれからは「お役所」から腰の重い、変わるに変わらず絶滅した恐竜似の「(重厚長大)大企業仕事」に変わるんじゃないかな。

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