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借景税なんて

ようやく春らしい天気の土曜日。今年はなかなか春めいた感じがしないけど、それでも2月の終わりだから少しでも春を見つけようと、天皇誕生日に「まん防」延長中だが開園していると聞き、まあそれほど人も多くなかろうと、梅が咲き始めたと聞いた縮景園に行きました。

入場者もボツボツで適度な空き様。梅は咲いているものの、まだもう一つで、週末辺りになるとグンと気温が上がってくるという予報なので、来週頭辺りから見ごろかもしれない。

街中にあるこういう公園は貴重だと思うが、梅や木々の向こう側にマンションがあるのは少々興覚めだ。昨年末に所用があり、ついでに高松の栗林公園に行ったが(大禹謨で報告しました)、まああの大規模な栗林公園と縮景園を比較するのはなんだが、栗林公園が良いな、と思ったのは広さもそうだけど、池の周りや景色の良い所の延長にマンションやビルが視界に入り込まないという点があったと思う。逆に言うと縮景園を取り囲むマンションやビルの住人にはこの公園が良い借景になっているのは間違いない。これがあるから猫の額ほどのテラスに緑を置く必要ないもんね。

これは都心の公園の周辺には共通すると思う。平和公園の周囲もそうだし、平和大通り(100m道路)の沿線もそう。窓を開けると公園や緑地帯の緑が目に入ってきて、さぞかし快適だと思う。それも庭の手入れは自分でする必要はない、公園の管理者や道路管理者がマメにやってくれる。時々緑地帯や公園で飲み食いする人に対して「うるさい」「汚すな」というクレームを管理者に言うだけで良いのだからな。いやいや、自分の近くの緑地はマメに掃除してるよ、という方もいるのかな?

昔、佐伯区と西区の境に住んでいたことがある。私は佐伯区側の住人で、丁度町内会の役員をしていたが、春と秋には町内一斉清掃なる大事な行事がある。日曜の朝、町内総出で道路や周辺の掃除、溝掃除なんかをやるのだな。1時間強程度のもので、どこまで効果的かは疑問だが、これはこれで汚さないという意識が少しでも持てるという意味があったと思う。

である時、連合町内会の会合で区の社協から「予算の関係でゴミ袋を減らす。ついては不足分は町内会費から出してほしい」という話があって、少々引っかかった。

なぜかというと、先ほども書いたようにそこは「区の境」で、実は向かい合う西区のその町内には「一斉清掃」はない。なぜなら西区の道路、溝は市の契約した業者が清掃するから、一斉清掃は不要ということを聞いていたからだ。

たとえば、道を挟み向かい合う道路の片側は西区だから業者が清掃するが、反対側(逆車線)は佐伯区なので手をつけないということだったのだ。これにはカチンと来ていて、市の清掃担当でない知人に文句を言ったら「まあしかたないね、西区の人が佐伯区に働きに行ったりするより、佐伯区の人が西区に来ることが多いし、その時西区の道路使うでしょ」と訳の分からん説明をして憤慨したことがある。多分佐伯区は旧佐伯郡であとから合併した場所だったので、「まあ知らせるこたぁない」とその差別(?)を放置していただけだと思う。また、西区の住人が道路清掃税を市民税にプラスして負担していりゃあまあ納得もするが、そんなものはない。そこに佐伯区はゴミ袋を町内会費で買え!なんていわれるのは心外であった。その後引越したので、今はどうかわからないが、どうなんかな?

さて、そこで公園である。やっぱりこういう都市公園で借景しているところからは「借景税」ってとるべきじゃないのかな?いくばくかでも負担したら、公共の緑をお裾分けしていただいているという意識も高まり、より大事にしようという気持ちが大きくなるかもしれないし、借景税収は清掃の資金源としてプラスになろう。公園ができる前から住んでいた人は免除しても、公園が出来た後の建物に住んでいる人は、やはり応分に負担すべきだと思うよ。

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