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兆し

大変悲惨な事故でした。

昨日は色々用事があり、ほとんどテレビを見ることはありませんでしたが、この関連が多く流されたのだろうと思います。

つい忘れがちなのは、呼吸は「肺を動かす」ということ(実際は肺が動くから呼吸が出来るということなのかな)で、そこが圧迫されたらいくら口をパクパクしても肺の収縮が出来なくなってしまう。すると必要な酸素は得ることができないということになるのですね。
私は喘息持ちなので、喘息の発作が出る時は本当に苦しい。気管が炎症を起こしているので肺に達する前にせき込み、必要な酸素量が肺に行かないという苦しい経験があります。それだけに亡くなった方は本当に苦しかったろうと思います。ご冥福を祈りたい。

しかしニュースでこれを見て感じたのはその事だけではありません。路上に倒れこんでいる人に必死で蘇生させようと、心臓マッサージをしている人が山ほどいたことです。
肺の圧迫が無くなれば、心臓が動き出したら、肺を再起動させることは出来るでしょう。だから心停止であればいち早くマッサージで動かすことが大事だというのは、誰でもわかることだけど、誰もが出来るわけではない。しかるになぜこのように多くの人が蘇生のためのマッサージが出来ているのか?
それは彼らは経験があるからだと思います。ソウルには徴兵等でこのような訓練をした事がある人はものすごく多いのではないでしょうか。
そういえば台湾の高校では女子高生でも銃射撃の訓練やこういった蘇生講習が必須とされていると聞いたことがあります。韓国だけでなく台湾も、近隣諸国との間に極めて深刻な緊張関係があるだけに、日常での危機意識は日本では想像できないレベルなんだろうと、この梨泰院の風景でも感じました。

逆に言えば、もしこのような事故が渋谷で起きていたら…
心臓マッサージの経験者がそんなにいるわけでもなく、恐らくは多くのやじ馬がスマホでSNSに実況中継して、消防、救急隊員の侵入の妨害をするのではないかな?
そう考えると、会社でも心臓マッサージ、人工呼吸、AED等の訓練は年に一回はしてみようかと思うのです。

もう1つ感じたことですが、これは異常な事故だと思います。私は昔から異常なことが起きるのは、それ以上に大きな出来事が起きる兆しだと思っています。イギリスの首相の信じられない早期退陣、ウクライナに限らず不安定な世界情勢、目につくのは独裁者とポピュリストばかりの政治家、もちろん新型コロナもさらに強力な変異で広がるかもしれません。不安ばかり考えても仕方ありませんが、今こそ大事なのは「愛」だと思います。


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