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クラフトマンシップと売ったもん勝ちの精神

先日「ちむどんどん」をみてピッツァ・マルゲリータを食べたくなったというのは書いたが(実際食べた)、私はこういうのに影響されやすい。この時食べたドミノピザのマルゲリータはしらすが入っており、これが良かったことを申し添えておこう。
さて、同様に先日読んだミステリ「ビール職人の秘密と推理」(エリー・アレグザンダー著)であるが、ミステリというよりはミステリ仕立てのグルメ&女性自立の話というべきだろうか、いや最も大事な「ビール」が抜けておったわい。主人公の周囲にはビール造りのクラフトマンシップに溢れた人たちがおる。


彼女はオレゴンの田舎にある町の「マイクロブルワリー」で働く子持ちの女性(離婚予定で別居中)だが、彼女はクラフトビールも作るし料理も上手だ。これを読んでいくとクラフトビールとポップコーンを食べたくなる(読めばわかる)ので、昨日はクラフトビールを買おうと思い、帰りにローソンに立ち寄りました。で買ったのは、一つはGoose Islandの「IPA」もう一つはサッポロビールの「Summer Pils」でありました(サントリーのクラフトもあったが、観桜会の件もあるので敬遠しましたわ)。
IPAから飲み始めたが、これは美味しい。ホップがもっときついかと思ったが、そんなことないな。料理と一緒にというより、これを単独で飲んだ方が良いと思う。一方Summer Pilsはこれは料理のお供だろう。これに合う料理は何だろうか…。

それで思い出したが、ずいぶん昔になるが近所のお好み焼き屋さんで、社員と月に一度飲む会をやったことがある。その時「ビールの味」という話題になり、それじゃブラインドテストしてみようということになった。選んだのはよく飲むビール(キリンとアサヒ)、あまり飲まないビール(モルツ、オリオン)、第三のビール(キリンとアサヒ)だった。これは意外と正解者が多かったが、好みは割れたね。第三のビールも好む人は多く、飲みなれたビールが好きだという感じだったろうか、
更にその次の回は「缶より瓶じゃ」という輩がいたので、これまたブラインドテストをした。キリンとアサヒとサッポロとサントリーの、それぞれ瓶と缶を持ち込んでやりました。これは瓶の方が旨いという人が圧倒的多数だったのだ。結論的にはビールは味はお好みだけど、あえて飲むなら瓶の方が良い、ということだったと記憶する。

さて、昨日の「IPA」と「Summer Pils」はともに缶だったので、瓶で飲んでみたいなとも思うが、特にIPAみたいなクラフトビールは醸造所や、その近くでタンクから飲んだら美味いんだろうなとしみじみ思います。
実はこのミステリの中で同じ町にある「デア・ケラー」という少し大きなマイクロブルワリーがあり、そこが西海岸に販路を広げ、いずれは世界進出もというアイデアを持つ経営者がいるのだ。まさにこれはシカゴの「Goose Island」社のスタイル。

沢山販路を作る=沢山生産するということだから、マイクロブルワリーの最大の特徴である細かな違いのビールの生産には少し小回りが利かなくなろう。小説では、その辺りにこの主人公の醸造所は「デア・ケラー」と違う活路、意義を見出しているのだけどね。

そういえば私も高校生の頃からビールは飲むようになったと記憶している(曖昧だが)、最初はなんでこんな苦いものを飲むのか?と不思議だったが、いつの間にか「とりあえずビール」になったね。大学で上京したときは「サッポロビール」の黒に遭遇し驚いた。広島ではほとんど見ることが無かったからね、当時広島にはキリンビールの工場があったから、キリンが圧倒的、マツダ(住友)の関係でアサヒもある位で、それ以外のビールはほとんど見なかった。当時の居酒屋チェーンとしては「養老の滝」があったが、あそこはサントリービールだったと記憶している。まあ後発だったからニッチな所で勝負してたんだろうね、今はニューオータニですか…。
当時を振り返ると、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4メーカーしかなっただけじゃなくて(オリオンビールは知りもしなかった)、それぞれ4社は1種類しかビールを出していなかった。キリンもラガーだけで一番搾りなんかは、アサヒがドライを始めてから大慌てで出してきたくらいで、飲み屋で「ビールは何にしますか?」「えーぅとキリン」「ラガーですが、一番搾りですか」なんていう会話も無かった。それまではビールは四択、自動的に出て来るものだった。これが何十年も続いていたから、そりゃビール会社は儲かったろう。1品種限定の大量生産だったわけだからな。それから行くと様変わりなので、大変だな~とは思わないね。今までのツケを払ってるだけだ。それだけに、安倍氏の観桜会がらみのサントリーにはガッカリしたよ。
そういえばBS12で「マッサン」の再放送をしているがサントリーの創業者(らしい)人がでてるけど、ワインでトラブルがあった時に「味(品質)を変えるんじゃなくて、広告で購入者の印象を変える」という方法を取っていたが、なるほど、目先を変えようとする、安易な選択をするDNAは残っているようだ。

さて昨晩頂いたのはこの二本でした。まずまず

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