「身寄りのない方への支援」をテーマに講演してきたよ。
令和5年8月10日、最上町健康福祉課のご依頼で講演してきました。テーマは「身寄りのない人への支援や周辺の制度、これからの支援の在り方とは?」ということでした。
近年社会福祉職としてもよく耳にしたり自分のケースとしても担当することが多くなってきている「ひきこもり」「親なきあと」「おひとりさまの終活」等、様々なテーマが絡み合う本講演ということもあり、構成はどうするかとても悩みました。
成年後見・遺言・相続・死後事務委任などの諸制度を説明するだけでかなりのボリュームになるし、法律家でない方々に細かい点を説明することは正直、あまり意味がない(本当に必要になったときに、必要な情報を共有すればよい)しそこは概要的な説明で良いのかなと、軽めの説明にとどめました。なかなか聞いただけでは理解も難しいところですし、すぐ忘れられることを説明する意味もないですからね。
それよりもケアマネ・スクールソーシャルワーカー・行政書士等の立場で関わってきたケースの事例を挙げそこからどう対応していったか、どういった制度や関係機関と協力し支援を展開していったかを説明してみました。来場者はケアマネさんや医療職の方が多いと聞いていたので、そのほうが自分の体験ともリンクしやすいかなという狙いでした。某寺院様と協働している案件も例に出して、こういう社会資源開発の取り組みもというような切り口も紹介してみました。
講演後、健康福祉課の担当の方としばらく振り返る時間がありましたが、やはり「ひきこもり」「親なきあと」「おひとりさま」などの諸問題は、当事者が晩年「身寄りの人がいない」問題につながっていくという点で一致しましたね。これは今日の大きな収穫のような気がしました。そのために私たち支援職ができること、それはやはり予防的な活動しかないだろう、課題が煮詰まってからではアプローチがかなり困難になってしまうのは多くの困難ケースを見ても明らかで・・・というところに落ち着きました。
その話の中で「もしバナゲーム」を高齢者サロンで実施してみては?予防の観点からもいいかも、当事者が様々な価値観やリスクを自ら発見するひとつのきっかけになる可能性が高い、というところで今後実施を検討することになりました。これも一つのソーシャルワークの展開。実施まで行けるといいなあ。
そんなことで、毎回研修会や講演ごとにたくさんの振り返りや課題を発見します。大事なのは、せっかく時間を作ってきてくださった来場者の皆さんに何か一つでも持ち帰ってもらえること、僕が提示した話や事例をできるだけ「動画モード」で共有してもらい話の核を一緒に掴んでもらうこと、なのかなーと思っています。