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「かくかくど」 17年12月5日 「宣伝会議 編集・ライター養成講座」ポスター撮影

「春らしい」ビジュアルラフ案では背景は青空だった。青空を撮ろうとすると順光になる、それでは単調だから逆行のハレーションを生かす、というのも手垢に塗れた手法なので、いっその事春なんだから花背景は!?と切り出すと好意的に受け止めて頂き、予算と天気とのすり合わせが始まった。ちょっと毒っぽいキャッチコピーの乗っ取った蜷川実花先輩オマージュの背景ができれば自然光でも、アイランプでも大丈夫。そして、撮影当日。この雨男の無駄な杞憂とは裏腹に雲ひとつないド晴天となった。

となると光量が強すぎて目も開けられない、影も強すぎる中でアシスタント黒羽くんが事前に用意してくれたディフューザーにも使える丸レフが登場。

まず人物に発生する影のバランスを見極めるために太陽と人物の位置関係は吟味する。通常は光源を動かせるが、太陽は動かせないので微妙な人物の立ち角度を調整、さらにディフューザーの前後位置は影の拡散度合いを、高さは影のでる量を調整する。自然光とはいえ意図に沿った機材の厳密配置を見過ごしてはならない。しかし!さすがにこんな高所になるとは予想もせずライトスタンドを持参していなかった。かつて一脚を愛用している写真家高梨豊さんが授業でこうおっしゃっていた。「自分の足が二本と一脚で三脚になる」無頼のスタジオマン工藤さんにテーブルの上に立って一脚が足りない二本の足でプルプルと震えながら手持ちをして頂き事なきを得た。機材のほとんどは人海戦術でなんとかなるものだ。(ちなみに、そんあ工藤さんの姿は深川さんの瞳の中にばっちり写り込んでいるのでぜひポスターを間近で見て欲しい。)

セット図記録:黒羽政士


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