人の気持ちをわかろうとして、わかる人
東北勢初の優勝となりました。おめでとうございます。
深紅の大優勝旗がついに白川の関を越えます。
仙台育英高校の須江監督のインタビューが素晴らしいなと感じました。
【インタビュアー】
初優勝おめでとうございます。
【須江監督】
「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます!」
【インタビュアー】
ゲームセットの瞬間、少し目元を押さえていらっしゃいました。どんな思いですか?
【須江監督】
「100年開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました」
【インタビュアー】
宮城の皆さん、東北の皆さんの夢、かないましたね。
【須江監督】
「準決勝で勝った段階で、本当に東北や宮城の皆さんからたくさんのメッセージをいただいて、本当に熱い思いを感じていたので、それに応えられて何よりです」
【インタビュアー】
今日の決勝でも素晴らしいバッティングでした。あの2回り目に入ったところから相手の変化球を積極的に振っていったように見えましたが、どんな狙いだったのですか?
【須江監督】
「いや、前半はあの古賀君もすごくいいピッチングしていたので、焦りはありませんでしたけど、本当に翻弄(ほんろう)されている感じでした。でも、ここまで宮城県大会の1回戦から培ってきた今年の選手のできること、自分たちが何をやってきたのか、本当に立ち返って、選手自身がよくやってくれたと思います」
―強力な投手陣5人を擁して、この甲子園でも継投で優勝までに至りました。その辺りいかがですか?
【須江監督】
「今日は本当に斎藤(蓉)がよく投げてくれて、でも県大会は投げられない中で、本当にみんなでつないできて、つないできて、最後に投げた高橋(煌稀)もそして今日投げなかった3人のピッチャーも、スタンドにいる控えのピッチャーも、みんながつないだ継投だと思います」
【インタビュアー】
今年の3年生は入学した時から新型コロナウイルスの感染に翻弄されてきました。それを乗り越えてのこの優勝、3年生たちにはどんな言葉をかけたいですか?
【須江監督】
「入学どころか、多分おそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活っていうのは何て言うか、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんですね。青春ってすごく密なので。でも、そういうことは全部駄目だ、駄目だと言われて、活動をしていてもどこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれたこと。でも、それをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、やっぱり全国の高校生のみんなが、本当によくやってくれて、例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんな時でも諦めないで、暗い中でも走っていけたので、本当に全ての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います」
優勝監督インタビューより
はじまりの部分も東北の方々への敬意というか想いが溢れていて素敵でしたが、最後の言葉に心を打たれて感動しました。
須江監督は人の気持ちを深く理解しようとして、それができる人なんだと想像しています。また、そんな人柄だからこそ多くの人に慕われているんだろうなと感じます。
今の三年生はコロナ禍での卒業式を経験していたんですよね。自分もその頃はまだ中学校現場にいたのでよく覚えています。(今の三年生の代は東日本大震災の頃に幼稚園や保育園の卒園を迎えていたと記憶しています。)
「青春ってすごく密なので。」
生徒さんの気持ちをものすごくわかろうとして、わかっている方なんだなと思います。
自分の経験も思い出しながら、押し付けるんじゃなくて、生徒さんたちの「現在」にも思いを巡らせることができる素敵な先生だと思います。
きっと多くの生徒さんにとって出会えて良かったと思える先生なんでしょうね!(須江先生の担当教科は情報科だそうです。)
「ぜひ全国の高校生に拍手をしてもらえたらなと思います。」
今までになかったタイプの優勝インタビューに驚きつつ、須江監督のことがもっと知りたくなりました。
選手、応援団、チーム関係者、保護者の方々お疲れ様でした。
全ての高校生とその活動を支えてきたすべての方々に賞賛の拍手を送らせていただきたいと思います。
最後までご覧になって頂き、ありがとうございました!
サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。