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時間差のある手紙

今回は月や太陽の光についてのお話です。
宇宙の大きさや天体について少し想像してもらえたらなと考え、中学校の天体の分野の導入でお話する内容となっております。

地球一周の長さは4万kmとされていて、
よく光の速さを例えるために使われます。

秒速30万km=30万km/秒(s)1秒で地球を7周半します。

時速に直すと時速10億8千万km=10億8千万km/時(h)

とんでもない速さですね。

この光の速さで1年間ぶっ通しで進んだとする距離のことを
「1 光年」といいます。
30万km/秒 × 60秒(分速に換算)× 60分(時速に換算)× 24時間 × 365日(閏年を考慮すると365.25年)=9兆4672億8千万  

1 光年をキリよくkmに換算すると、約9兆5000億kmです。
桁数が多いのでiPhoneを横にして関数電卓にして計算いたしました。
途方もない数字がいきなり出てきましたね。
(桃鉄みたいな数字が出てきてしまいました。)

今日お話したいことは普段見ている月や太陽は遠くにありすぎて、「時間差で見ている」ということです。
ざっくりいうと宇宙って本当に広いなーというお話です。

①月と地球間の距離が、38万km
②太陽と地球間の距離が、1億5千万km

と言われています。
太陽との距離すごい離れていますよね。月とも十分離れているのに38万kmが可愛く見えてきます。

月と地球は38万kmで、地球9.5周分の距離
太陽と地球は1億5千万kmで、地球3750周分の距離

上記のようになります。

その距離、約395倍・・・太陽はものすごく離れていますね。
これだけ離れているのにあれだけジリジリとした日差しを届けてくれるんですね。
近くだったらどうなっちゃうの?って感じで、容易に近づけないことが伺えます。

月と地球は38万km離れているので
38万km ÷ 30万km / 秒(光の速さ)=1.2666・・・で
約1.3秒
光の速さをもってしても月の光(太陽光が月に反射して届く反射光)が地球に届くまでに1.3秒かかります。

太陽と地球は太陽と地球は1億5千万km離れているので、
1億5千万km ÷ 30万km / 秒(光の速さ)=500秒(8分20秒) 
光の速さをもってしても太陽から放たれた光が地球に到着するまで
8分20秒かかります。

月の場合(月は発光体ではないので自ら光を出すことはできません。)、太陽光が月面に反射して、その光が地球にいる私たちの目に入って認識していることになるのですが、私たちが月を見るときは1.3秒前に月面を旅立った光を見ていることになります。(過去の月を見ていることになります。)

太陽の場合(太陽は発光体なので自ら光を出せます。)はもっと遠いので、8分20秒前に太陽から放たれた光が私たちが住んでいる地球に降り注ぎます。
(お昼の12時ちょうどに降り注いでいる太陽光は、8分20秒前の11時51分40秒に太陽を出発したということになります。)

怪盗グルーまたはルパン三世、怪盗キッドなどの盗めないものは無さそうなスーパースターたちが太陽を盗んだとします。(彼らならやれる?流石に無理?)
そうすると、地球上の人たちは8分20秒間は太陽が盗まれたことに気づけないということになります。

月の場合、同氏たちに盗まれたとすると盗まれた瞬間から1.3秒は地球にいる人たちは気付けません。

宇宙が大きすぎて、尚且つ遠すぎるが故に、光が現地を出発してからこちらに到着するまでにちょっとラグが生じるんですね。「過去の光を見ている」とよく言われる所以です。

生、リアルタイムの状況を見られていないというのは何か寂しい気がしないでもないのですが、なんか送り主が投函してから時間を経て届く手紙みたいで素敵だなと個人的に感じております。

光が長い距離を旅して地球に届くことと天体でよく出てくるオリオン座を合わせて考えてみます。
オリオン座を構成する星は近い星で500光年、遠い星では1500光年も離れています。

光の速さで500年、1500年かかる距離から光が届いているということになるのですが、そんな昔に現地を出発した光が今500年から1000年の時を経て私たちの目に光として入ってきて、認識ができるというのは何か不思議な感じがします。

過去からの手紙というかなんというか。

もし、オリオン座を構成している星が燃え尽きてしまったり、怪盗たちに盗まれてしまったりしていたらそれがわかるのは500年後だったり1500円後ということになります。今この時にはもう存在していないなんていうことも考えられます。

宇宙の大きさ故に起こるタイムラグを想像しながら、天体に臨んでもらえると少し勉強が楽しくなるかもしれません。実は星座がわかると結構この分野は楽しくなってくるのでその足掛かりにしてもらえればと考えております。

最後までご覧になっていただいてありがとうございました。



サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。