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#302 楽しい時間の創造~風呂屋書店  

■風呂屋書店

札幌の奥座敷と呼ばれている山間部(南区)の最南端に定山渓じょうざんけい温泉がある。
定山渓で温泉を発見したのは『後方羊蹄日誌』を記した松浦武四郎(江戸末期~明治の探検家・著述家)とされている。

私も南区の住民だが、自宅から車を走らせて30分ほどかかる所だ。

湯治というと何だか年寄りみたいだが、月に1度は温泉へ浸かりに行って体をユルユルにしてリフレッシュしている。
近くのスーパー銭湯にもよく行っている。

田舎に住んでいた子どもの頃、家族旅行で定山渓に行くのが怖かった。

温泉街の南から北(札幌市中心部から日本海)へ流れる川には奇岩だらけの「かっぱ淵」という箇所があり、河童にちなんだ「定山渓・河童祭り」というのがある。

今みたいに心が汚れていない純粋だった僕は、河童に足を引っ張られて溺れたらどうしようと温泉どころではなかったのだ。
そんなこともあり、子どもの頃から泳ぎは達者であろうと懸命に努力し、僕は遂に「カッパ」と呼ばれるまでになった。


定山渓温泉には、大きなホテルが10軒ほどあって、昭和から平成の隆盛を経て、現在は観光客も激減している。

北海道内外はもとよりインバウンドの観光客を誘引しようといろいろなマーケティング戦略を必死に考えているが、なかなか大変な状況のようだ。

先日、地方TV局の特集で定山渓の「風呂屋書店」が話題になっていた。

大日本印刷株式会社(DNP)が、宿泊施設等の“書店業以外の事業者”に対し、従来のサービスに“本”を組み込んで利用者の体験価値を高める「書店開業支援サービス」を開始するとのこと。

第一寶亭留ほてる翠山亭すいざんていに、宿泊者だけでなく誰もが約2,500冊の書籍を閲覧・購入できる書店が開設されるそうだ。

9月19日にオープンとのことで、すでに公式サイトに掲載されている。
画像を見ると素敵な空間だ。

ホテル公式サイト

Instagram

https://www.instagram.com/furoya_books/

物価高の折、消費者の財布の紐は固い。
買い回り品の本を買うよりも最寄り品・生活必需品が優先される。

良質なコンテンツはネットでも提供されている。

私は、専門書は研究費で賄えるが、趣味の本は公立図書館や大学の図書館(蔵書数76万冊)を活用する機会が増えた。

今後は、温泉に浸かったついでに風呂屋書店へも足を運んでみようか。
何が当たるかわからない時代、できればヒットしてほしい。
市民の一人として楽しい時間を創造したい。