#68 自己調整学習力
■自己調整学習
90年代にアメリカの教育心理学者らによって提案された理論体系。
自ら進んで持続的に学習していく状態をつくるにはどうしたらよいか?
これは学校教育はもとより社会人になってからも重要なテーマであり、何より、私にとっては一生かけてどうにかしなきゃいけない、いや、もう残されている人生少ないな・・・・
教職課程の授業で学生と共に考えるテーマにしようと思い、関連書籍をいくつか読んでみた。
北大路書房公式サイト
■何が求められているのか
自己調整学習は、「動機づけ」「学習方法」「メタ認知」という3つの要素から研究されてきたものだが、我が国の今次の教育改革ではより重視されている。
でも、これは日本の教育に限った話ではない。
世界中の国々で子どものスキルやコンピテンシー(学歴・知能と相関しない人間的な行動特性や思考力)を育成し、それらの力を発揮して学び続けること、人幸せな人生にしていくこと(Well-being)が提唱されている
これまでの教科・科目内容を重視するやり方(コンテンツベース)をやめて、思い切りコンピテンシーベースへ舵を切ろうというわけではない。
基礎基本の知識・技術の獲得が大前提なのだと思う。
先行きが不透明・不確実なVUCAの時代ゆえ、「すぐに答えが導き出せない」「解がない」といった問題が山積している。
答えのない問題に立ち向かえる人材とはどのような力を持つ人なのかという問いについては、業界や職業・職種、組織によって異なるかもしれない。
文献や資料を探すと、あれもこれもとあげられていて、思わず「パーフェクトヒューマンだな・・・・」と、つぶやきたくなった。
ヒエラルキー(階層・階級)がものいう環境下では、こうした能力に関わる勉強や研修、試験を課して学生や労働者を抑圧したり、学習を受動的にさせるのではないかという懸念もある。
そして、それがビジネス化していく・・・・
■求められるスキル
あえて簡単な言い方をするなら、求められている人材は、
問題解決に向けて、知識や技能を組み合わせたり変化させたり、自分に足りないものがあれば他者と協働しながら新しい価値を創造していく人、粘り強く取り組み、目的・目標を達成することができる人。
そういう人は、仕事だけでなく、日常生活をも調整し、豊かで幸せな人生を実現してくのだろう。
こうした能力を獲得すために、新学習指導要領の理念に従って小学校、中学校、高校と積み上げていきましょう、ということなのだが、12年間で仕上がるわけでないことは明白である。
若いうちに基礎基本となる土台と柱をつくるのだと理解したい。
人生百年時代、国家百年の大計である。
授業に備えて「これからの時代に求められるスキル」としてパワーポイントにまとめてみた。
出所は「2023世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」で示された2025年以降に必要とされるスキルである。
私に欠けているスキル一覧のような気がする。