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#104 面白半分日記10 読書日記12 マッチョなボキャブラリーの獲得を!

大学図書館の蔵書数は76万冊ほどあるので割と充実しているほうではないかと思う。
そこにない専門書や小説を購入してほしいとお願いすることがある。

担当科目に直結する専門書は自分の研究費で購入している。

でも、自分が研究したいことに限ってドンピシャ合致するものを探し当てるのは案外難しい。

Web検索すると、検索アルゴリズムによって検索上位の書籍がずらっと並ぶ。
啓発本やハウツー本の類が山のように引っかかってくる。
需要があるからだろう。

論じていることに間違いはないのだろうが、私みたいな者にはほぼ再現性が乏しいことばかりだ。
(ぐうたらな私個人に当てはめて、という意味)

大学の教員でもその手の本を執筆することが多い。
実入りがいいのかな。

その中に埋もれている研究書や専門書を掘り起こす作業が意外と面倒くさい。

Amazonのロングテール戦略によって、書籍に関する人々の購買行動と書籍売上が劇的に変わったと言われているが、一般の人々による書評に迷うことがある。

経済や経営、マーケティング、マネジメント関係の専門書だけでも年に100冊以上購入して読むが「アタリ」「ハズレ」もある。

執筆者が悪いわけではなく、私の一人勝手な思惑や思い込みがハズレを引き寄せているのだろう。

すでに研究室が書籍で溢れかえっている。
大地震が起きたら書籍の角に頭を打ちつけてあの世に行くかもしれない。

先日、学生の手を借りて教育関係の本を選別し、教職志望者が利用している自習室へ運搬した。

私が自習室で自習することはない。
だから地震が来ても私が自習室からあの世へ行く確率はほぼない。

そんなことを学生達に話したら、ある学生がこんなことを言った。

「センセー、ちょっと身勝手じゃないですか?」

「おいおい、まるで私が自分のことしか考えてないみたいじゃないか。
キミたちはわかっていない。
地震発生リスクと、読書機会の喪失リスクは、長い人生で見た場合、どっちが危険か考えてごらん」

「センセーの理屈や比較の仕方が全然理解できません」

「じゃあ理解できる能力や判断力を身に付けるために、ここにある書籍をすべて読破しなさい。
そうすれば私の真意がわかるはずだ」

私に残されている課題は、研究室から避難する際に階段から転げ落ちてあの世へ行く可能性をいかに低減させるかということだ。

◆語彙と頭脳の筋トレ

研究室が少し片付いたので、私自身の語彙を増やすべく
類語検索辞典『日本語シソーラス 第2版』(大修館書店)を購入した。

シソーラス(thesaurus)とは、欧米圏の類語辞典の呼び名だ。
ある単語を起点にして類似語が示されているので、豊かな表現を実現できる。

だから、何か書きものをしていて、もっと気の利いた表現はないだろうかと調べると、私の稚拙な表現も、急に宮沢賢治のような豊かで味わいのある表現に変身し、そして遂には唯一無二の作家になれるのだ。

ミンナニデクノボウトヨバレ 
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

いや、何を目指しているのかわからなくなってきた。

改めて考えてみた。
日本語シソーラス、なかなかの重厚感である。

前腕筋をはじめ上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋などを鍛えるのにもってこいかもしれない。

これに広辞苑や大辞林を揃えれば、鋼の筋肉を手に入れられるような気がしてきた。

これこそが災害時のリスクマネジメントであり、危機対応に耐えうる身体を作り上げるということだ。

いや、本旨は頭脳と語彙の筋トレだった・・・・

研究論文やnoteの文章が格段によくなる保証はない。
むしろ、マッチョなヤツだと思われ敬遠されるかもしれない。

つべこべ言ったり悶々と考えるより汗を流して道を悟ろう。