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#35 説得の五段活用
◆教師をめざす者のあるべき姿
戦後最大の教育改革は幼小中高校だけでなく、その延長線上にある高大接続改革として大学も変わらなければならない。
私は「教師の在り方改革」だと受け止めている。
追いかけても追いかけても “ 逃げ水 ” を追いかけている感覚に陥りそうだが、この改革は蜃気楼なんかじゃない。
「個別最適な学び」というとカッコいいが、なかなか・・・・・
高校の「課題研究」や「探究学習」の推進に30年近く関わってきた。
中高校の教員をめざす学生達へ向けて、「学びの玉手箱」から、お裾分けしている。
基礎理論をはじめ、過去の成功例や失敗例などを30ページほどにまとめ、PDFファイルにしてMSのTeamsから配信した。
<教職履修者への告知>
「新年度の講義開始までに、しっかり読んでおくこと」
たまたま廊下ですれ違った学生に聞かれた。
学生
「センセー、例のアレ、読まなければいけないんですか?」
むむ・・・・その言い方、私への挑戦か?
“ 例のアレ ” じゃなくて、“ カリスマ教師の玉手箱 ” と呼ぶべきだろう。
別に、私の妻に対する始末書や反省文を読めと言っているわけではない。
“ 例のアレ ” は、今日の学校教育、ひいては我が国の公教育のあるべき姿を追究すべく、私が朝も昼も夜も寝る間をしっかり取って書き上げた渾身の超大作である。
学生がこういう反応をするということは、私の教育がなっていなかったのかもしれない。
わたし
「 “ 例のアレ ” だが、まずは読むことが大切なんだよ。ただし、何ごとも鵜呑みにせず、まず疑ってかかりなさい。批判精神あってこそ学問は進化するのだ」
学生
「つまり、センセーの言うことは信じず、疑って批判してこそ探究が深まるということですね」
わたし
「まあ、文法的にはそういう解釈も成り立つが、君には行間を読み取る力が必要だ。
大学在学中、君が何をすべきか考えればいい。
新学期は、君が読んだことを前提にして、そこから一歩進めて考察する授業展開になるんだ。
まあ、私の話は未成熟な学生には難解かもしれないがね」
学生
「先生が書かれていることを批判的に考察し、これは信用に値しないという結果になることもあり得ますよね。
そもそも、いつも誤字脱字が多いです。先生の理論には行間がありませんし小学生でも書けそうです」
わたし
「いやいや、せめて中学生レベルと言ってほしいな。
平易に書いているけど、そこには学問や教育の真理に近付くヒントが隠されているんだよ。
これからの時代は解のない時代と言われているけど、君なりの最適解を求めることにこそ意味があるということだ。
とにかく、”例のアレ“ には目を通しておいてほしい」
学生
「解がないのに解を探して彷徨うのは時間の無駄だと思いませんか?」
わたし
「おい、まるで私が時間泥棒みたいじゃないか!
私は君の時間を奪うつもりはない。
あくまでも読んでくれたらいいなぁ~なんて思ったりなんかしてね。
読まない? 読みます、読むとき、読めば、読め!
いや、どうか読んでください、お願いです!」
なお一層「ことば合わせ」に努め、学生に迷惑をかけないこと、足を引っ張らないこと、拗ねないことを心がけたい。