ゆういちろう@鈴甲子雄山

五月人形を作る小さな町工場の五代目(仮)です。株式会社鈴甲子で毎日甲冑と向き合ってます…

ゆういちろう@鈴甲子雄山

五月人形を作る小さな町工場の五代目(仮)です。株式会社鈴甲子で毎日甲冑と向き合ってます。世界一の職人集団を作ります。時には雄山の言葉を借りて、時には自分の調べた・思った・考えたことを文章にしていこうと思います。

最近の記事

竹雀の甲冑を紹介してみる

初学者向けにわかりやすく甲冑の面白さをまとめた本って、全然みたことがなくて最初のころ苦労したなと思い、自分で書いてみようと思い立ちました。少しでも甲冑おもろいじゃんって思ってもらえたら幸いです。僕も記事を書きながら勉強していきたいと思います。 今回題材として扱うのは、国宝に指定されている「竹雀」という甲冑です。 我々雄山の作品シリーズの中でも、金具周りの繊細さ、竹と雀と虎を甲冑に飾ったそのテーマとのバランスが良く、特に人気の高い作品です。 画像は、雄山の模写を使って説明

    • 五月人形の歴史を調べてみた

      五月五日は子どもの日。 子どもの健やかな成長を願うべく、現代でもその文化は受け継がれています。 僕はまだ職人としては修行中の身でして、今後のこの文化を考えるヒントになるかなと考え、五月人形の歴史をあらためて調べ直そうと、この記事にまとめることにしました。 今回は、どんな形でこの五月五日の節句が古代から受け継がれてきたのかをご紹介しようと思います。 子どもの日子どもの日という名前は、実は太平洋戦争後に誕生しました。名前としてはかなり新しいものです。子どもの日にあたる、五月五日

      • 人形の作り方のご紹介〜壹三人形はどうやってできる?〜

        きっかけは妄想金属で作る甲冑とは打って変わって、今回は人形の開発と、シリーズについて話をしようと思います。 甲冑だけを製作していると、この甲冑はどんな人物が作ってどんな人物が来ているんだろうと考えることがあります。それは妄想に変わってこんな性格のこんな人に着ていてほしいなと考えるようになります。源義経ってどんな人だろう?伊達政宗ってどんな人だろう?と考えていると次から次に情景が浮かんでくるんですね。 そこで、まずイメージを作ろうと、雄山はイラストを描きまくりました。 こ

        • 雄山の作品の変遷とシリーズのご紹介~進化編~

          変遷とシリーズの紹介第二弾「進化編」と題しました。 前回の定番編では、従来の五月人形から実物の甲冑の模写への技術的な変遷をお見せできたかなと思っています。 技術的な引き出しが増えると、作品の表現の幅がどんどんと広がってきます。できることが増えてくると、オリジナリティを出したくなってくるもので、これまでの技術の引き出しを活用して、どうやって五月人形を進化させていくかを試みるようになってきました。 今回はそんな最中に生まれた作品たちをご紹介していきます。 天賦の兜この天賦の

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          雄山の作品の変遷とシリーズのご紹介~定番編~

          突然ですが皆さんは五月人形というとどんなものをイメージしますか? 床の間に飾ってある、大きな鎧飾りでしょうか?横に付いている太刀で遊んだことのある人もいるかもしれません。 恥ずかしながら僕は実家が工房なのに、実際に働くようになるまでほとんど工房には出入りしたことがありませんでした!なので太刀を振り回して遊ぶし、鎧は動きそうで怖いなというイメージがありました。 ところがどっこい。 実際に工房に入って、さまざまな商品を見て成り立ちを知っていくと、五月人形も結構進化を遂げていて

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          はじめましてと会社の紹介

          はじめまして 株式会社鈴甲子の鈴木雄一朗と申します。 五月人形の製造をする職人の会社で五代目(仮)として日々、こどもの日に向けた甲冑の製作を手掛けています。 (仮)としたのは、四代目である父から「名前?全然使っていいよ〜」と言われたので作家名の「鈴甲子雄山」の五代目を名乗ろうと思ったのですが、さすがにまだ一人前とは言えないなと、(仮)をつけることにしました。 自己紹介はどこかでちゃんとやろうかと思うので、まずは鈴甲子雄山という作家について、ちゃんとご紹介するところから始

          はじめましてと会社の紹介