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ムーミンと私

ムーミン谷と私

ムーミンの世界は優しい。ムーミン谷が俗世から離れているからかな。だれも金儲けの話をしないし、虐待もない。

あ、虐待はあった。

ニンニという女の子は、皮肉屋のおばさんから冷たい仕打ちを受けて、青ざめていくうちに姿が見えなくなるのです。洋服とリボンだけがふわふわ浮いているように見えます。
ニンニはムーミンやしきにやってきて、ムーミンママの秘伝の薬やお手製ワンピースをもらうと、次第に姿が見えていきます。
ムーミンパパがムーミンママをふざけて海に落とそうとしたとき、ニンニはパパのしっぽにかみつき、そして姿が見えるようになります。

ニンニは怒るという感情を取り戻したから、元に戻ったのです。
それまで彼女のあらゆる感情が失われていたのかと思うと、自分と重なるところもあって何とも言えない気持ちになります。
ムーミン谷は、冷たくなった心を温める優しさに満ちています。

シーグラスと私

ムーミンでシーグラスを集めているシーンがあって、そのほのぼのした感じに憧れて、自分も集めに海に行きました。

シーグラスは、瓶などのガラスの破片です。
「シーグラスが取れる」と言われている海でなければ、なかなか発見できないかもしれません。
シーグラスを探しているときは無心になれます。おすすめです。

シーグラスを拾っていると、周りに韓国語や中国語が書かれたペットボトルのごみが落ちているのに気づきます。そこはムーミンと違うところだけど。
そういうのを見ると、このごみのもともとの持ち主はどんな人なんだろうとか、どういうルートでたどり着いたんだろうとかいろいろ考えて、ワクワクします。

シーグラス

アニオタ文化と私

ムーミンの原作はフィンランド出身のトーベヤンソンによって書かれた小説です。日本でのアニメ化は昭和と平成で二回されています。

私が初めてムーミンに本格的に触れたのは、あらゆるアニメを見まくっていた中学生の時。平成版アニメの「楽しいムーミン一家」シリーズを見ました。

スナフキンがかっこいいしかわいいんです!とっても。後で語ります。
ちなみに声優は子安武人です。さわやかなお兄さんに仕上がっています。

ところで、アニメ好きが声優をいっぱい知ってるのってなんでなんですかね?あと声優知ってる前提であいつらは話してくる。なんで?
私は名前と声が一致しているのは数人ぐらいです。
だいたい、何がイケボかそうじゃないかの区別もつきません。

私は声よりどうしても作品全体としての世界観や絵柄、キャラの作り方に目が向いてしまいます。
そのわりに、好きになるのは性格見た目関係なく、だいたい主人公です。

コードギアスのルルーシュとか、鋼の錬金術師のエドとか、マギのアリババとか。

でも、あんまりキャラに思い入れはないです。主人公には作り手のエッセンスと熱量が注ぎ込まれてるから好きになるんですよね。要するに私はアニメを通して作り手を好きになっているのです。

あと、女でアニメ好きだと腐女子か夢女子かどっちかだと思われるのなんでですかね?
(腐女子は男同士の恋愛を妄想、夢女子はキャラと自分との恋愛を妄想するひとのこと)

自分は中学生のころ好きだった女の子がいて、その人が腐女子でした。クラスの腐女子仲間とこそこそBL本のやり取りをしていたのを見てちょっとだけ嫉妬した私は、BLに挑戦することにしたんですよね。

その子に聞きました。
「おすすめのBLある?」「これだよ!」

その本、開けてびっくり。天女みたいな男と和装の男が開始1ページ目で合体!してました。
ハードすぎやろ・・・
それ以来、私はBLが苦手です。はかない恋心もどっかいきました。

きけん!スナフキンという男

アニメキャラをあまり好きにならない私でも、スナフキンにはかなりはまりました。スナフキンのせいで孤独と旅への憧れは加速し、さらに中二病を極めることになりました。

まず、生き様がかっこいい。
旅に生きるスナフキンの荷物はリュックサックとハーモニカだけ。そこら辺のミニマリストよりよっぽどミニマムです。

長い旅行に必要なのは大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ

ピンチの時にサッと機転を利かせて解決するみんなのお兄さん的存在ですが、秋になってムーミンたちが冬眠し始めると、一人で旅に出ます。春になると、ムーミン谷に戻ってきます。
一人の時間も、みんなとの時間も楽しむスナフキン先輩、憧れます。

故郷は別にないさ、強いて言えば地球かな

かっけえ~!私も言ってみたい。
そんなスナフキンのさわやかな罵倒が見たい方はこちら

これを見るとどれだけメンタル病んでてもニヤニヤしてしまう。
そんなかわいらしいお顔とさわやかな声でおもしろいこというんじゃないよ。

おすすめの回

歌う花のプレゼント

ネタバレを避けて簡潔に言うと、トフスランとビフスランという小人が歌う花の種を持ってくるのですが、歌うどころか芽すら出ない。はじめは信じていたみんなも嘘だと思い始めるのですが、ここでスナフキンが工夫を利かせて花が咲き、歌い始めます。やったやった~!

みんながあきらめている中で、ムーミンママだけがトフスランとビフスランのことを信じて気長に待っているんです。
そして花が咲くと二人のことをそっと二人を抱きしめます。

中学生のころはあまり気にしていませんでしたが、今見るとムーミンママに沼ってしまいますね。寛大さと温かさ。誰に対しても愛情深く、包容力があります。
スナフキンもいいけど、ムーミンママのようにもなりたいです。

地球最後の龍

ムーミン界隈の腐女子と夢女子が歓喜したであろう回。ちなみにPIXIVを見ると、けっこうそういう楽しみ方をしている方は多いです。。。

これはネタバレなしで見てほしいです。スナフキン、お前ってやつは~!!(うれし泣き)って感じです。

そしてこの回もムーミンママの子供への接し方のうまさが垣間見えます。
一方的に愛情を押し付けるのではなく、余裕があります。子供が秘密にしたいことはそのままにしておく、とてもいい。

スナフキンもムーミンママもムーミン谷のみんなも元はたった一人の人から生み出されたと思うとすごいです。

ムーミンの世界、癒やされる上に奥が深いのでぜひ見てみてください!

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