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娘のことば辞典(1歳7か月版)

そろそろ1歳7か月になる娘は、最近ことばをよく話す。「ぺちょくちゃかなもこかな。」のような親でも理解できないことばも多いが、「ぱっぱい(おっぱいのこと)」、「あわ(石鹸のこと)」と言ったようにはっきりと分かる単語もよく話す。これがとっても面白い。

いま娘が扱える言葉は、大きくわけて「①名詞」「②自分の要求や気持ちを伝える言葉」の2種類。そのなかで、ひとつの単語でひとつのものや気持ちを表現している言葉があれば、ひとつの単語が複数の意味を持つこともあるので、それを区分すると計4種類に分けられる。

まずは名詞から。これは目の前にものがあった上で喋るので、親としては理解しやすい。

〔①名詞-1:ものと名前がちゃんと一致してるもの〕

▷うま
▷めーめー
(ひつじ)
▷こっこ(にわとり)
▷こんこん(きつね)
▷ちょうちょ
▷ぐわ(かえる)
▷うっほ(ごりら)
▷ふーふー(ふくろう)
▷ひざ
▷あし
▷め(目)
▷みみ
▷は(歯)
▷ぽんぽん

▷あわ(石鹸)
▷くっく(靴)
▷ぷーしゃん(くまのプーさん)
▷はっぱ
▷ビージュ
(炭酸のこと 多分ビールと混同している)
▷かーかー(カラス)
▷わんわん(犬)

これらの言葉は絵本を通して覚えたものが多いように思う。「わんわん」を絵本で覚えて、そのあと散歩中に本物の犬を見て「わんわん」と言うというような順番。絵と現実を同じものとして理解している娘の処理能力に驚いた。

ただし、まだ曖昧な状態の名詞もたくさんある。

〔①名詞-2:ものと名前がまだ一致しきっていないもの〕

▷あっかー:色鉛筆やペンなど。書くものはなんでも「あっかー」。または色がついてるものは何でも「あっかー」。
▷ぶどう:ちゃんとブドウを指す時もあるが、食用ほおずきのように丸いものはみんな「ぶどう」。
▷きいお:色がついてるものを指す時もあるし、キリンを指してる時もある。
▷あめ:絵本に出てくる雨と、自転車のレインカバーにつくものは「あめ」と言うが、雨という現象を指しているのかどうかはよく分からない。
▷おおきい:これは何を指してるのか不明。たぶん大きいと言っているのだと思うが、だいだい大きくない。

見ていて特に難しいよなぁと思うのは「色」。たぶん娘はいま「形」を中心にものを覚えている最中で、色の違いにもそれぞれ名前があるということには気付いていない様子。なので色がついているものを指すときは、全部の色をまとめて「あっかー」か「きいお」と表現する。

また、細かなちがいを認識するのにはまだ時間がかかりそうで、球体の食べものはすべて「ぶどう」になる。でも大丈夫。ゆっくりやっていこう。

親として娘のことばを理解するのに難易度が高いのが、「要求を伝える言葉」。名詞とちがい、気持ちの表現はその時の状況によって複数の意味が出てくる。なので、娘が今なにを伝えたいのか、前後の状況から推測する必要がある。

〔②自分の要求や気持ちを伝える言葉-1:比較的明確なもの〕

▷おっき:起き上がりたい時に言う。または、親に起きて欲しい時に言う。
▷ぱっぱい:おっぱいをご所望の時に言う。
▷ねんね:寝たい時や、休みたい時に使う。また、ぬいぐるみを寝かせる時や、親が横になった時にも使う。
▷おいしい:本当に美味しいと思っているのかは分からないけど、ご飯を食べたら「おいしい」と言うのは分かっている
▷あっく:抱っこして欲しい時に言う。またはぬいぐるみを自分が抱っこしたい時にも言う
▷やだ:嫌な時に言う。
▷ぴぴ、ぴぴ:親を連れていきたい時の効果音。
▷しぇんしぇ:何かを見せたい時に言う。先生のことだと思われる。
▷おし・まい!:何かを終了させたい時に言う。絵本に飽きた時とか、ちがうおもちゃを使いたい時に使う。
▷けて:「開けて」という意味。
▷しゃっしゃ:ふりかけかけて欲しい時の言葉
▷ぷっ:ほっぺを膨らませて言う。怒っているよという意思表示だが、めちゃくちゃ可愛い。
▷てて:取って、あけて、やって、などの意味
▷のむ:飲みたい
▷よむ:読みたい。または、読んでほしい
▷あっち:あっちに行きたい。
▷だだ:お母さんのこともお父さんのことも「だだ」と呼ぶ。
▷だだーしゅ:お父さんのこと。

これらは意味が比較的明確なので、親としても娘の気持ちを理解しやすい。問題はここから。ひとつの単語に複数の意味が込められていることがあり、そうしたものは急に難易度があがる。

〔②自分の要求や気持ちを伝える言葉-2:ひとつの単語に複数の意味がこめられているもの〕

▷ついた:目的地についた時に言う。または、自転車からおりたい時も「ついた」と言う。
▷いたい:痛いのほかに、かゆい時にも使う。
▷ここ:「ここに来て」、「これなに?」、「あっち」、と色んな意味で使われる。
▷ばいばい:お別れの挨拶ではなく、なにかがどこかに去って行く様子を指して「ばいばい」と言う。たとえば、お風呂で石鹸の泡が流れていく時などに「ばいばい」と表現する。また、「あなたどっか行って」という意味でも使われる。
▷ぷしょぷしょ:服が濡れた時に言う。びしょびしょと言いたいのだと思われる。机が濡れた時にも、そこ濡れてるよ、という意味で「ぷしょぷしょ」と言うこともある。
▷どうぞ:なにかを上げる時に使う。その他に、絵本を読んで欲しい時など、何かを要求する時も「どうぞ」と言う。
▷いい?:自分が許可を求める時に使う。その他に、このお水飲んでいいよ。と親にすすめてくる時にも「いい?」と言って渡してくる。

特に分かりにくいのは「ここ」。ここに来てほしいのか、これを開けてほしいのか、あそこに移動してほしいのか。前後の娘の行動を注視しながら、たぶん隣に来てほしいんだな、と判断し隣に座ると、「やだ~!」とつっぷして泣いたりする。難しい…。

いまはまだ単語ひとつで意思表示をするが、「ぱっぱい、おいしい」のように単語が繋がる時も出てきている。この調子でいけば、文章の形成も近そうだ。こどもの成長は本当に早い。

娘を見ていると、まるで自分の人生の生き直しをしているかのような気持ちになってくる。限られた単語でなんとか意思を伝えようとしてくる彼女を見ていると、なんとも言えず胸がじーんとなるが、自分だってこの道を通ってきたのだ。何度も何度も同じことを繰り返してきたんだよね、人類は。

昨日よりも今日、今日よりも明日、出来ることが確実に増えていく。明日の成長が約束されているかのような娘の毎日は、見ていて本当に輝かしい。きっと楽しいだろうな。いいなぁ、君の人生は。そのお裾分けをいただくことが出来て、父も毎日がとっても楽しいよ。

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