娘の絵、7か月の変化
娘と過ごす時間はもともと楽しかったけど、先月あたりからその楽しさがさらに増している。娘が成長している様がよく分かるようになってきた。というのがその理由のひとつ。
たとえば、いま僕が夢中にさせられているのが娘の絵。まだ意識的になにかを描くことは出来ず、描ける行為が嬉しいから描くという段階なので、無意識の筆運び、予想外の線がそこには表れる。これがとっても良い。
娘がはじめてお絵描きをした時の作品がこれ。
▲4月2日。娘1歳0ヵ月。
それぞれの線が短いのは、クレヨンを持つ力の加減が分からないから。クレヨンを紙に押し付けることは出来るけど、そのまま横や縦に動かすことは出来ない。なので、この線の長さが限界。
▲5月16日。1歳2か月弱。
線が大きく伸びるようになった。クレヨンを紙に押さえつけたまま横に動かすことが出来る。肩が動くようになったのか、身体全体をひねることが出来るようになったのか。これだけでも凄い成長だと思う。
▲7月3日。1歳3ヵ月。
線を引くのではなく、クレヨンを叩きつけている。これでも色が出ることが分かったのか、この日がたまたまそういう気分だったのか。いずれにしても色々な方法を試している。ということは分かる。
じつは僕としてはこのあたりで、娘はあまり絵を描かないなぁと思っていた。しかし…
▲8月25日。1歳5か月。
この日、はじめて水彩絵の具を渡してみたところ、娘のお絵描き心が大爆発。見事な筆さばきを見せ、親を驚かせる。
一枚描いたらもう止まらない。
この日は結局一気に5枚も絵を描き上げた。
水彩絵の具は軽い力で大きな線が描ける。さらに色が混ざると変色していくので、娘にはとっても楽しかったよう。真剣そのものの顔で取り組んでいた。
じつはこの時、まだ絵の具は娘には早いのではないかと思っていた。①筆を持ち、②水で濡らし、③絵の具をつけて、④描く。という4つの作業を一気にこなすなんて出来るのだろうか。そんな半信半疑な僕の目の前で、娘は軽々と絵の具を使いこなしてみせた。
ここでようやく、そもそも娘にとってはクレヨンの方が難易度が高いのだということに気が付いた。絵の具に比べると、クレヨンを使うには力が必要。力の加減がまだ出来ない娘にはクレヨンは扱いにくく、むしろ軽い力でも大きく描ける絵の具の方が使いやすかったのだ。
あまり絵を描かないなぁと思っていたのは、娘の問題ではなく、こちらが提供する道具の問題だったことが分かり、ちょっと反省。それにしても、この日の娘の熱中っぷりは忘れられない。
▲8月31日。1歳5か月。
今度は色鉛筆を渡してみたところ、これも喜んで使っていた。グーで握りしめ、腕全体を使って大きく動かして描く。やはりクレヨンよりも使いやすそう。
▲10月17日。1歳7か月弱。
娘の筆使いはどんどん巧みになっていく。
▲10月21日。1歳7ヵ月弱。
黒が渋い絵を描いたり、
▲10月22日。1歳7ヵ月弱。
淡い色合いの絵も見せてくれる。
10月に入ってからの絵と、8月25日の絵を見比べると、筆の動きがとてもスムーズになってきたことが分かる。力が抜けてきたのだろうか。筆に水を含ませる量もだんだん適量になってきた。(8月25日の作品は、筆をなんども水につけて描いていたのでかなり滲んでいる)
娘がはじめて絵を描いてから7か月弱の間だけでもこれだけの進歩がある。すごい。こんな変化を、僕はいま見逃したくないと思っている。
▲そして今日、娘が描いたのがこれ。
なかなか伝わりにくいとは思うが、じつは今日の娘は手首をよくつかって色鉛筆を動かしていた。ギザギザになっている線がいくつか確認出来るが、それらは娘が腕全体ではなく、手首だけを動かして引いた線。細かく縦に動いているのが分かる。
手首を動かす。そんなちょっとしたことも、こどもにとってはなかなかの難題。何度も何度も繰り返して、手首が動くことを認識。そしてその動きは絵を描く時に活かせるということを発見する。そんな瞬間を見ることが出来ると、父は感動する。娘の成長からは目が離せない。なんとか書きためておきたいと思っている。
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