有名人への道?

 とある契約企業さんでコロナ禍で対面でのメンタルヘルス研修ができなくなりました。昨年度はなし崩しに中止となったのですが、さすがに今年は何かしなければ、ということになり、しかし一同に会しての研修はできません。

 その企業では、産業医である私が各地を回ってその地域の人を集めて行うという研修形式なのですが、回数は限られますので隣県からも参加者を集い、大人数での研修になっていたのです。研修中に集団で密になる他に大勢の社員の移動のリスクも伴います。

 私としてはe-learningを作成しての研修をお勧めしたのですが賛成頂けず、メンタルヘルス関連のDVD閲覧ということになりました。そして、DVD作成は業者に委託し、その内容は私が考えることになってしまったのです。さらに私が出演して話さなければならないということに・・・。通常のメンタルヘルス研修と同じ流れであれば、構成はさほど戸惑いませんが、問題は研修内容を私が話しているところを、動画撮影の業者さんに撮影されること。こんなの産業医契約の内容にないよ?と思いましたが、(私以外の)皆が乗り気です。

 実際の撮影は会社のホールで行われました。私は、自身が撮られる経験はないので、言われるがままです。「原稿見ないでカメラ見てください」ってその場で言われても急には・・・。貴重な体験でしたが、どっと疲れてしまいました。普段の研修会ではほとんど緊張しないのですが、言い間違いがあると撮影し直しですから、ミスの無いようにと思うと余計失敗する悪循環。もっと口が回りやすい内容や構成にするべきだったと後悔も。

 業者さん曰く「スムーズに撮影」でき、その完成したDVDは会社の多くの方(数千人!!)が見られたそうです。アンケートで好評だったのはよいのですが、第2弾は正直キツい。社員の方々に、顔を覚えられるのはよいことですが、私は社員の方々を知らないのに、一方的に知られているというのは少し抵抗があります。局地的に有名人になっている気もします。来年度は通常通りの研修がいいなあ。


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