SEOの基本の「ん」
SEOの基本の「き」「ほ」に続いて「ん」についてです。
「き」と「ほ」については下記記事をご覧ください。
SEOの基本の「ん」は、何かと考えた場合、僕は「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」だと考えます。
もちろんSEOの基本は何か?と聞かれた場合、人によってかなり異なることもありますが、「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」はSEOの基本として非常に重要だと考えます。
なおこの場合のクエリとは「検索フレーズ」のことです。キーワードだと「単語」という意味も含むため、複数の単語を含む場合や文章の場合は「検索フレーズ」だったり「検索クエリ」と言うようにしています。
今だとGoogle HomeやAppleのSiriに「今日の天気は?」というように文章で聞くことが増えていますよね。そのため「検索キーワード」という言葉だと伝わらないこともあるので「検索クエリ」という言葉を使用しています。
SEOの基本の「ん」
SEOにおける基本の「き」は「検索エンジンに対して何が書かれているのか、何のサイト(ブログ)かきちんと伝えること」、基本の「ほ」は「人に伝えることを意識すること」と書きました。
その上で次にSEOの基本の「ん」は、「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」です。
1番が「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」と思う人もいるかもしれませんが、そもそもGoogleに何の記事か・何のサイト(ブログ)か、正しく伝わらなければ上位表示は難しいですし、仮に上位表示されても間違った情報として取り上げられる可能性もあります。
また人に伝えることを意識出来ないと、支離滅裂な文章になったり、人に評価されない文章のため、検索結果の上位表示が難しくなります。
なのでGoogleに伝えること・人に伝えることを意識した上で、SEOの根幹となる「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」が3番目の基本になると考えます。
検索意図とは
検索する時は、何かしらの目的があって検索しますよね。
(何かを)知りたい
(何かを)買いたい・契約したい
(どこかへ)行きたい
(何かを)したい
検索意図は、なぜその人はその検索したかのか、その目的のことです。
また検索クエリの裏側にあるユーザーの本質的な希望や感情をを含むこともあります。
検索意図は「インテント」「ユーザーインテント」と言われることもあります。
「今日の天気」で検索する人の検索意図は「今日の天気を知りたい」ということはすぐに想像出来ますよね。
でも、その裏側には「今日は傘がいるのかな?」とか「紫外線は多いのかな?」とか「折りたたみ傘で大丈夫かな?」ということを知りたいという検索意図があるかもしれませんよね。
僕がSEOを学び始めた時に検索意図の話になるとよく紹介された事例があります。今でも有効なものなので紹介します。下記のものです。
これは「結婚式のドレスだから、ウェディングドレスを探している」と答える男性は今でもいるのですが、これは大きな間違いです。
実際に検索してみるとわかりますが、これは結婚式や披露宴に招待された女性が「(招待された立場で)結婚式に着ていくドレスはどれが良いか?」「披露宴に着ていくドレスはどういうのが良いか?」という意図で検索をしています。
検索意図を正しく理解していない状態で、検索意図とはズレた内容のことを書いても上位表示は非常に難しいです。
Googleレンズの普及
今の検索エンジンは、言葉だけでなく画像や音声による検索が浸透してきているので、文章(キーワードおよびキーワード群)に答えることが検索意図を満たす訳ではありません。
比較的最近のAndroidのスマホを使っている人なら、標準機能として「Googleレンズ」による画像検索が可能になっていることを知っている人は多いと思います。
散歩をしていたら綺麗な花が咲いている、でもこの名前の花を知らない…という時にGoogleレンズを使って花を撮影すれば花の名前を調べられます。
もちろん絶対に調べられる訳ではありませんが、僕の感覚だと8~9割くらいは調べられます。
花などで画像検索をする時に自分のサイト(ブログ)が表示されるようにするためには、SEOの基本の「き」で紹介している画像へのALTタグの設定やキャプションの記入が重要になってきます。
検索意図は時代・需要・地域とともに変化する
検索意図は時代や需要、地域とともに変化します。
例えば「カメラ おすすめ」で検索すると今は検索結果上位は「ミラーレス一眼」のおすすめ機種を紹介する記事ばかりです。
でも数年前はコンデジ・普通の一眼レフデジカメを紹介する記事が混在していました。
つまり今は「カメラ おすすめ」で検索する人はミラーレス一眼のデジタルカメラを探している人が多いということが予測出来ます。
また「ラーメン」で検索すると今居るエリアのラーメン屋さんが検索結果上位で紹介されているはずです。これは「ラーメン」で検索する人が近くのラーメン屋を探していることが多いということが予測出来ます。
顕在ニーズと潜在ニーズ
検索意図には「顕在ニーズ(顕在意図)」と「潜在ニーズ(潜在意図)」の2つがあると言われています。
顕在している=疑問が明確化している
潜在している=疑問が明確化していない
と例えられることが多いです。
例えば「今日の天気」で顕在化している情報ならGoogle検索ですぐに出てきます。
この記事を書いているのは金曜日ですが、最初に金曜日の天気があって、晴れであり、最高気温が32度で最低気温が24度だということがわかります。
ただ「今日の天気」で知りたいことは「傘が必要かどうか?」「夕立はあるのかどうか?」という可能性が高いですよね。
だから、潜在ニーズとしては「傘が必要かどうか?」ということが予想出来ます。
「結婚式 ドレス」にしても実際には「今の流行りのドレス」だったり「20代・30代・40代・50代に向いているドレス」を求めている可能性が高いことが想像出来ます。
だから顕在化されている情報だけでなく潜在的に求められている情報も合わせて掲載することがSEOでは大切だと言われています。
ニーズ情報とウォンツ情報
ニーズ情報とウォンツ情報は僕が言っているものです。なので一般的な言葉ではありません。
ウォンツ情報とは潜在的に求められている情報というよりは、潜在的な情報よりも更に踏み込んで、本当はこの情報が欲しかった!と思われる情報のことです。
ニーズ情報:必要な情報
ウォンツ情報:欲しかった!と思われる情報
例えば札幌にある「北海道神宮頓宮」という神社に行きたいと思っていた人がいます。
いろいろな交通手段や地下鉄の出口の案内を書いたのなら、そこまでは顕在ニーズに答えているだけです。
潜在的なニーズとしては、夏なのか冬なのか、雨だった場合・雪だった場合などの潜在的なニーズに答えることも必要ということは考えられると思います。
ただもし行きたいと思っている人が「地図を読めない」「東西南北の方向感覚がない」人だった場合を考えて、そういう人が欲しい!と思わせる情報をウォンツ情報と僕は呼んでいます。
顕在ニーズ・潜在ニーズまでの情報をニーズ情報と僕はしています。
北海道神宮は公共交通機関で向かう場合、地下鉄を利用しますが「地図を読めない」「東西南北の方向感覚がない」人は地下鉄からの階段を上って地上に出た時に、どちらに向かえば良いのかわからなくなります。
僕の奥さんがそうです(笑)
だから「地図を読めない」「東西南北の方向感覚がない」人にとって欲しい!と思ってもらえる情報は地下鉄の出口を出た後に写真や動画でどちらに向かえば良いのか視覚的にわかる情報だと思いませんか?
そう思って作った僕のコンテンツは4年も経過しているのに「北海道神宮頓宮 行き方」で未だにGoogle検索で3位前後につけています。
これだけの情報があれば「地図を読めない」「東西南北の方向感覚がない」人でもたどり着けると思いませんか?
どこまでの情報を掲載するか?ということはありますが、検索意図に隠された意図や、欲しいと思われる情報は何か、きちんと考えることが非常に大切です。
情報を提供するコンテンツを考える
検索意図を考え、どういった情報を提供するのか?どういうコンテンツで情報を提供するのか?と考えることは非常に大切です。
先に書いている通り、行きたいスポットに案内するために写真や動画といったコンテンツを用意するという考え方もあります。
ただ漠然と「検索意図」を考えてブログで記事にするというような考え方は危険です。
記事コンテンツが必要なのか・記事コンテンツ以外が必要なのか?
いわゆるブログ記事では上位表示出来ない「検索クエリ」があります。
例えば「BMI」という検索クエリで検索する人の検索意図は何だと思いますか?
BMIという言葉の意味を知りたいという人もいますが、Googleの検索結果を鑑みれば多くの人は「自分のBMIの値を知りたい」ということがわかります。
だから身長と体重を入力することで自分のBMIが調べられるサイトが検索結果上位に並んでいます。
また「○○駅 時刻表」で検索した時にブログ記事が表示されることはありません。方面の指定はあるものの、表や図などで時刻表が表示されます。
「BMI」にしても「〇〇駅 時刻表」にしても個人サイト(個人ブログ)では上位表示は元々出来ない!という人もいるでしょう。
なら個人サイトでも上位表示可能だけど、ブログでは難しい検索クエリとして「今日の暦」というものがあります。
月間で検索される回数は2万回以上ある、割と検索されるクエリです。
この「今日の暦」という検索クエリで検索結果上位を目指すために作った僕のサイトが「こよみる」というサイトです。
最近は少し落ち気味で「今日の暦」というクエリで11位前後のことが多いですが、たまに8位くらいまで上昇しています。
実際に見てもらえればわかりますが、トップページが「今日の暦」でランキングしており、ただの箇条書きとリンクの一覧だけです。
いわゆるブログ記事とは全く違う作りだということはわかりますよね。
僕の知り合いの方が運営しているサイトで「伝統色のいろは」というサイトがありますが、「赤色」「青色」「緑色」などの検索クエリで上位表示しています。
しかし実際にみてもらうとわかる通り、ブログ記事ではなくカテゴリーでコンテンツの一覧が表示されています。
検索意図を満たすためには、ブログ記事のような読み物コンテンツだけでは無理な検索クエリもあるということは知っておいて欲しいことです。
もちろんブログ記事のような読み物コンテンツ以外が求められる検索クエリの場合、サイト設計というものが重要になって来ることが多いので、ブログの知識・ライティング知識だけでは難しくなります。
ここでは関係ありませんが、一般的に言われる「ブログのサイト設計」というものは、僕から見ると「キーワード設計」であり、サイト設計の1部分に過ぎないと考えています。
検索ボリュームやキーワード選定とは全く別
「検索クエリに対して検索意図を理解した上で必要な情報および欲しい情報を提供すること」に関連して、検索ボリュームのことやキーワード選定にことを考える人もいると思いますが、検索ボリュームやキーワード選定は、SEOの基本ではなく応用だと僕は考えます。
検索ボリューム:主に月間検索ボリューム・特定の検索クエリで月間にどれだけ検索されるかの回数
キーワード選定:主にどういった検索クエリで記事を書くか、検索クエリを選んだり探したりすること
またブログ界隈で言われるキーワード選定と本格的なSEOコンサル界隈で言われるキーワード選定はかなり異なることが多いです。
ブログ界隈のキーワード選定:個人でも検索結果上位にすることが可能なキーワードを探すこと(ライバルやキーワードの難易度で逃げる選択)
本格的なSEOコンサル界隈のキーワード選定:ビジネスに直結するキーワードを考えること(ライバルの状況を勘案して)
何より検索ボリュームやキーワード選定というものは、どのようなキーワードで集客するか?ということであり、マーケティングとしての要素がかなり強くなります。
だからマーケティング(主に集客)としての目的・理解が前提として必要になるので、SEOの基本というよりは、SEOを利用したマーケティングの話になります。
もちろんSEOそのものがWebマーケティングだという意見もありますが、最近のGoogleの動きは少し異なるように感じているので、上記のように説明しています。
でもSEOを行う上で、どういうキーワード(クエリ)で検索してもらえば、自分(自社)のサイトに来てもらうのが、収益が発生しやすいか、考えることは非常に大切です。
検索意図は自分の頭で考えよう
最近は生成AIで記事を書くのが普通になってきました。
生成AIでもある程度は検索意図を理解してニーズ情報までは記事として書いてくれます。
ただし、そこにはウォンツ情報はほぼ出てきません。
SEOにおいてはオリジナリティ(独自性・創造性・新しさ)が重要と言われています。
検索意図の確認のため実際に検索して自分の考える検索意図を確認することは大切ですが、オリジナリティのためにそこから一歩踏み込んで、本当に欲しい情報は何なのか?考えることが大切です。
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