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読書記録「汝、星のごとく」

ちょうどテスト期間でレポートの締め切りにも追われている今日この頃ですが、不思議なことに忙しい時ほど読書がはかどりまして、、。

今週は、凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」を読みました。

凪良ゆう「汝、星のごとく」講談社


繊細で複雑な物語で、あらすじをまとめるのも恐縮ですが、内容は
父と別居状態で精神が不安定になってしまった母の介護をする暁海と、同じく母の生活を支える櫂が、出会い、悩みを共有し、恋をして、正誤を指摘されながら、自分の選んだ道を、それぞれの人生を歩んでいく物語です。ヤングケアラー、同調圧力、性的マイノリティ、貧富の差、職場での男女差別、SNSから生まれる誤解、、私が気づけていないテーマもあるかもしれません。たくさんの社会問題を内包した作品です。というより、現実の日常生活にも様々な「生き辛さ」が溶け込んでいる危うさを教えてくれた作品です。

登場人物たちが直面する課題は、私の友達が直面していた課題でもあり、解決の糸口が見えない描写に、当時の無力感を思い出し、何度も泣きました。
読んでいてずっと絶望していたんですが、淡々とニュースで流れていた悲しい出来事が一つの物語になり、たくさんの人の心に届いて本屋大賞に選ばれたことを考えると、少し希望が見えた気がします。この表現で合っているのかわかりませんが、文庫化しないでほしいなと思ってしまいました。この本の重みはハードカバーのままがいいな。

続編の「星を編む」も発売されましたね。実はすでに購入済みで読むのがとても楽しみです。特典のしおりが「汝、星のごとく」の続編であることを嬉しい形で表していて、思わず目頭が熱くなりました(ネタばれしないように説明するの難しい、、!笑)。

読み終わって、改めて編集の仕事へのあこがれも強まりました。本編に出てくる編集者たちの熱い想いから、作家と同じくらい「伝えてみせる」という気持ちがないと成り立たない職業だと痛感しました。もう書きたくないと思う気持ちが変わる瞬間を待ち続ける姿勢、かっこよかったです。

しばらくはこの本の余韻に浸っていたいなと思う反面、読みたい本も順調に増えていて、頭を抱える毎日です(しあわせな悩み)。
でもレポートやらなきゃ、、。

新年一冊目に読み終わった本が「汝、星のごとく」でよかったです。
今年も、感動と発見がたくさんの読書生活を送りたいなと思います。

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