ボヘミアン・ラプソディはスーパーヒーローものだった。

白状すると、クィーンはレコードもCDも、買ったこともなければレンタルしたことすら、一度もありません。ちなみに11月23日からリバイバル公開になっている、「ムトゥ 踊るマハラジャ」のサントラCDは1998年の公開当時速攻購入して、愛聴してました。ラジニカーント対フレディ・マーキュリーの二大インド系スーパースター対決、俺様的にはラジニカーントの圧勝。

とはいえこの映画は、クィーンというバンドの歴史の細部は大胆に無視して、ストーリーを整理してお話を盛り上げてて面白かった。

能力の覚醒と仲間や恋人との出会い ~ 大活躍 ~ 自分は何者か?という自問自答 ~ 裏切りと仲違い ~ 懺悔と和解 ~ 人類を救うための命がけの挑戦…という展開。要は、フレディ・マーキュリーと仲間たちの大活躍を描いた、「Xメン」そのままの、マイノリティの生きづらさを描いたスーパーヒーローものなんです。スーパースターの話じゃなかった。

なるほど、「Xメン」劇場版シリーズのブライアン・シンガーが監督。実は、2017年末に彼はこの映画の監督を降板しており、同時にゲイ関係のスキャンダルでまた訴えられてます。彼が降板した後は、撮影監督が引き継いで完成させたんですが、結局ブライアン・シンガーの監督のクレジットはそのまま。テーマを考慮したら、当然彼の監督作ということになったんでしょう。

テーマ性だけじゃなく、曲の数々も全部パワフルだった。自分はファンじゃないと思っていたのに、映画の中の曲はクィーンの前身SMILEのもの以外ほぼ全曲知ってた。さらに、「フラッシュ・ゴードン」は?と「バイシクル・レース」は?とか出てこなかった曲を思いつくんだからクィーン凄いです。映画観てなくても、マーベルコミックのヒーローの名前をみんなそらで覚えているような感覚。

とはいえ普通のスーパーヒーローものと違うところもあった。どう頑張っても続編ってつくれないですよね。泣ける感じがしましたけれども。