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鉄道政策に関するブログ、補足。3.新幹線と在来線の競合対策。

私は、新幹線と在来線は、お互いに競争させるのが、お客さんの利益になると思う。

たとえば、北陸新幹線、敦賀開業によって、敦賀→福井→金沢→富山→直江津→六日町(越後湯沢)は、第三セクターが運営する在来線会社になる。
私は、ただ官僚的に、漫然と普通電車を走らせているだけでは、やがて在来線会社は経営危機に直面すると思う。

私は、米原→姫路間、名古屋→豊橋間のように、在来線に快速列車を走らせるべきだと思う。
在来線のサンダーバード、しらさぎ、はくたか並のスピードと停車駅の快速列車。
4両から6両編成で、京阪8000系並の車両設備を持った快速列車を、敦賀→富山間に三十分に一本。富山→六日町(越後湯沢)間に、一時間に一本走らせ、2両編成の普通列車でローカル駅の乗客を拾っていき、快速停車駅で乗り換えるとしたらどうだろうか?

料金は、短い距離を乗るお客さんは、従距離料金。長い距離を乗るお客さんは、一日2500円程度の「北陸第三セクター乗り放題切符」で利用できるとすればどうだろうか?
当日、駅の券売機や車内で、乗り放題切符を売ったらどうだろうか?そして、乗客を新幹線と在来線で奪い合うのである。
ドラッカーは、「圧倒的な独占は、企業を眠りに誘い、外部からの衝撃に対して脆弱にさせる」と述べている。
そのためにも、在来線の快速列車が、新幹線の脅威となる必要がある。新幹線と在来線は良き競争相手であるべきだ。

そもそも、新幹線と在来線を利用する顧客は異なっていると思う。
新幹線を利用するお客さんは、より早く、快適に旅行をする、お金のある人が利用する。
それに対して、在来線は、少し時間がかかっても、主要駅に乗り放題切符で行きたいというお客さんが利用する。

新幹線と在来線を利用する顧客は、全く別の顧客であるという割り切りが必要だと思われる。

このような競争は、車への対抗を兼ねている。
近距離は車で、長距離は駅前の広い駐車場まで車で来て、100キロから200キロ離れた地点に、2500円の北陸第三セクター乗り放題切符を使って、快速列車で移動する。
そういう棲み分けを作るのが良いのではないか?
そうすれば、新幹線駅のない、在来線主要駅の駅前が寂れることはなくなる。

また、行きは在来線で、帰りは新幹線を利用するという形で、旅行代金を安く仕上げるお客さんが、いるかもしれない。

そして、新幹線と在来線が、お客さんを奪い合う状況を作れば、お互いにサービスに知恵を使い、競争することになる。
鉄道事業者は大変だが、最終的に、お客さんが利益を受けることになる。

あるいは、「北陸第三セクター乗り放題切符」を、ワイド版「3・3・SUNフリー切符」のように、福井鉄道、京福電鉄、北陸鉄道、富山地方鉄道などの鉄道線、系列のバス会社路線を乗り放題にする切符にしても良いかもしれない。

東海道、山陽新幹線と在来線の関係も見直すべきだと思う。

たとえば、熱海→豊橋間、特に熱海→浜松間は普通列車で、313系8000番代を除いて、ロングシートである。
普通列車の乗客を新幹線に誘導することが目的の、ダイヤや車内設備(アコモ)なら、やめるべきだ。
在来線を利用するお客さんも、それと気づいて、鉄道会社に反感を持つようになり、車を利用するようになる。
私は、沼津→浜松間を走るホームライナーのような快速列車を、特別料金なしに、30分に一本走らせ、新幹線と競争させるべきだと思う。

たとえば、沼津発ホームライナー浜松3号のダイヤと、こだま747号のダイヤを比較すると。

ホームライナー浜松3号
沼津18:31→富士18:43→清水19:01→静岡19:09→藤枝19:25→島田19:31→菊川19:42→掛川19:48→袋井19:55→磐田20:01→浜松20:10
沼津→浜松間、1時間39分

こだま747号
三島18:55→新富士19:08→静岡19:21→掛川19:36→浜松19:51(浜松は発時刻である)
三島→浜松間、56分

到達時間は、そんなに変わらない。ホームライナー並のスピードと停車駅の快速列車を、日中も、30分に一本、熱海→豊橋間に走らせることを考えても良いのではないか?

私は、先に書いたブログで、熱海→静岡間を会社分割によってJR東日本に譲渡。
東京→静岡間で、JR東海新幹線と、JR東日本の在来線、快速列車と競争させるのが、顧客の利益になると書いた。
また、静岡→豊橋間は、名古屋地区の313系、二人掛けクロスシート車両を、静岡地区に快速列車として投入。かっての急行「東海」の停車駅で、快速運転する。
大垣→豊橋間では、8両編成、先頭車両と最後尾車両を、二扉の前面展望式にして、中6両を313系8000番代のような三扉車のパノラマカーにして、快速運転したらどうか?と、提案した。

こうすれば、島田、清水、富士、沼津といった新幹線駅のない駅前が活性化するだろう。
詳しくは、私の書いたブログ、

10.東海道本線改革プラン
11.静岡→熱海間の会社分割
を、参照してもらいたい。

次に、北海道新幹線であるが、並行在来線、函館→長万部間の廃止はもったいない。
函館→札幌間に、一時間一本程度、特急「北斗」並みのスピードと停車駅の快速列車を走らせたらどうか?
車両は、再生可能エネルギー由来の水素を動力源とした、燃料電池車とすれば良いのではないか?
水素は、函館か室蘭付近に、再生可能エネルギー由来の水素を生産する製造プラントを建設すれば良いかもしれない。

また、北海道新幹線、新青森→函館北斗間は、弾性値計算をやってみたらどうだろうか?
毎月、500円から750円ずつ運賃を下げる。運賃を下げれば、利用客は増える。
そして、毎月の売上と利益額を計算して、最も利益の大きくなる運賃を見つけ出し、その運賃で料金設定をすれば良いのではないか?

あと、山陽新幹線の並行在来線、姫路→岡山→広島→新山口→下関間に、30分に一本程度、快速列車を走らせたらどうだろうか?
そうして、山陽新幹線と並行在来線を競争させるのである。

また、東北新幹線と並行在来線も競争させるべきだと思う。
宇都宮→福島→仙台→盛岡間の並行在来線に30分に一本快速列車を走らせたらどうか?

このブログに関連して、以前書いたブログ、
14.都市間連絡快速を考える。
15.名鉄物語(その1)都市間連絡快速を考える。
を、参照してもらいたい。

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