ハヤブサのバッテリーが充電されない件

 「バッテリーの調子が悪い」と思い始めてからそこそこの月日が経っていたが、「でもなんか、バッテリーだけの問題じゃないような気がするんだよなぁ」とも思いつつ、問題解決をダラダラと先送りしていた感があった。

 しかし遂に、この問題の原因を突き止めた、そして解決した!(と信じたい…)

 やはりおかしい、と確信したのは実は遅ればせながらこの冬のことである。

 まず、年明け早々にバッテリーが上がっており、エンジンがかからなかったのが発端だ。これがどうもおかしい。前回乗ってから2週間くらいしか経っていないのに、冬とはいえバッテリーがほぼ完全に沈黙している。しかもこのバッテリー、昨年9月に新品購入したばかりの国産GSユアサである。古くなった安物のバッテリーとはワケが違うだろう。

 この冬購入した、バッテリーから電源を取るタイプの電熱インナージャケットのせいだろうか、とも少し考えた。思っていたよりもバッテリーに負荷がかかっているのかも…。しかし確証は無かった。

 後日、充電器でフル充電したGSユアサバッテリーを再び搭載してトライしたところ、エンジンは見事一発始動。確かにバッテリーは死んでいたのである。良しこれでOK、と思った。

 ところが、である。

 2~3時間も走っただろうか。ガソリンスタンドに寄って給油し、再びエンジンをかけようとしたところ、なんと沈黙。うんともすんとも言わない。この状況でバッテリー上がりとは…。これはいったいどういうことなのか。

 バッテリーが死んだのがガソリンスタンドだったのは不幸中の幸い。救援策はいくらでもある。しかも自宅からわりと近かった。

 帰宅後、バッテリーから電源を取っている電熱インナーやシガーソケットのケーブルをすべて外し、エンジン始動以外の負荷がバッテリーにかからない状態にした。全くの素の状態にして、バッテリーがどう動くのか見てみたい。

 後日、バッテリーをフル充電して出撃。この日のテストに備え、予備の新品バッテリーも用意した。何かあってもすぐにフル充電された予備バッテリーに交換可能な状態で、出撃である。

 走行開始から約3時間後、信号待ちをしている時に突然エンスト。そして、セルを回しても全くエンジンがかからない。3時間もエンジンが始動していたにも関わらず、である。すぐにバイクを脇に寄せ、その場で予備のバッテリーに交換。バッテリー交換後は一発始動で路上に復帰し、特に問題なく帰投した。

 別の日、同じように走らせてみると、やはり走行開始から3時間後くらいに、信号待ちの際に突然エンストし、その後はエンジンがかからず、完全に沈黙してしまった。さすがに2回目なので気づいたのだが、エンストする直前くらいになると、ニュートラルポジションの緑色のランプが、かなり弱まっていた。バッテリー交換後は、明らかに明るい緑色の点灯に変わった。

 つまり、通常走行していてもバッテリーが全く充電されず、フル充電の状態から3時間くらいでバッテリー切れになってバイクが止まってしまうということである。

 これではまるで電動バイク状態ではないか。しかもガソリンは必要。

 良し、詳細がかなり判明した。やはりバッテリーが問題なのではなく、何かが問題であるために、それが原因でバッテリーにトラブルが起きるのである。

 次にやるべきことは、情報収集だ。バッテリーが充電されないという現象について調べたところ、オルタネーターやレギュレーターに問題があるらしいことが分かった。さらに、オルタネーターが壊れることはあまり無く、逆にレギュレーターの問題については、ハヤブサでのトラブル事例がブログなどで少なからず取り上げられている。

 これはもう、実質的にレギュレーターほぼ一択ではないか。

 YouTubeでレギュレーター交換の動画をいくつか確認し、アマゾンで2006年式のハヤブサに適合するレギュレーターをチェックする。なんと3000円以下で買えるという。

 カスタマーレビューを見ると、2年で壊れたとか書かれてもいるようだが、そもそも、ン万円の純正部品であるレギュレーターが現に壊れているのである。3000円以下で買える代用品が2年も大丈夫なら、なんの不足があろうか。

 下準備として、レギュレーター交換をするにあたって取り外しが必須となっているシートカウルの状態をチェック。これまで外したことが無かったので、何かの不具合で外せないなんてことは無いだろうな、とここはやや慎重。もし自力でカウル外しとレギュレーター交換が出来ないなら、もうじき到来する次の車検時にバイク屋にまとめて頼むしかない。

 どうやらシートカウルの取り外しに問題は無いようだ。ここまででもいろいろ発見があった。車載工具、恐るべし。こいつらは使える。

 後日、注文したレギュレーターが到着してから実際に交換作業。この時の様子はむろんヘッドマウントのカメラで撮影しておいた。いずれ動画をアップしたいと思うが、それはまた別の機会に。

 レギュレーター交換後のエンジン始動に問題が無いことを確認し、無事交換作業は終了。

 さて、実走結果であるが、まさしくレギュレーターであった。交換後は快調。バッテリーは問題なく充電されているようだ。たった3000円で問題解決できるとは…無知とは恐ろしい。

 「バイクの基本メンテナンス」的な本はこれまでも読んだことがあるが、レギュレーターの話など見かけたことも無かった。今回、試しに改めてハヤブサ関連のメンテ本を買って見てみたものの、やはり記載は無い。あたかもレギュレーターの問題など一切存在しないかのようである。

 しかし今回のレギュレーターの問題は、バイクを走行させるという基本かつ極めて重要なことに直結する問題で、しかもわりと手軽に自力で問題解決できるという、なかなかやり甲斐のあるトラブルであるのは間違いないであろう。

 次にこの問題が起きるのはやはり2年後くらいだろうか。

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