シートン動物記

 シートン動物記と言えば、多くの日本人が小さい頃に一度は読んだ、もしくは聞いたことがある読み物だという風に私は思っているのだが、私もその例に漏れず、小学生の頃には学校の図書室で借りたりして何度も読んだものだった。

 先日、ブックオフでたまたま集英社文庫の「狼王ロボ」を見つけたため、どうにも読み返したくなってしまい、衝動買いしてしまった。

 シートン動物記は主に子供向けの邦訳版がかなり出回っていて、出回り過ぎていて、訳が柔らかいせいか、シートン動物記そのものが子供向けの読み物であるかのように誤解されている気がする。大人でも読みごたえがあるような、オリジナル版のシートン動物記に忠実な本格派の邦訳版が少ないのだ。この点、私のお勧めは、なんといっても集英社から出ている完訳版シートン動物記。子供向けでないシートン動物記が楽しめる。藤原英司氏の訳がイイし、邦訳版の決定版と言っても良いと思う。

 この完訳版との出会いは、私の場合は小学校6年生の時の図書室。シリーズすべてを揃えて読み切ったのは中学に入ってからだが、以来、ずっと我が家の書棚に並んでいる。小学校の図書室でお気に入りは他に、椋鳩十、戸川幸夫などがあったのを思い出す。

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