セキュリティショーの公安調査庁

 東京ビッグサイトで毎春開催される、恒例のセキュリティショーを覗いてみた。

 できるだけ行くようにしているが、ここ2、3年は行っていなかったように思う。毎回行くたびに見るモノはたいして無いと感じ早々に切り上げるので、今では半日すら時間を割くつもりは無くなっている。今回は仕事帰りに少しだけ寄ってみた感じである。会場でアレクサと合流した。

 昨年から例の新型コロナウィルスの影響で、イベント系は大打撃である。今回はコロナ後に参加した初めてのイベントであるが、例年のセキュリティショーに比して見る影もない。

 まず、全体の規模が圧倒的に縮小されている。なんだ、これだけかと感じるレベルである。

 そして、有名どころの警備会社がほとんど出展していない。中規模以上の警備会社なら体力があるから、コロナ下のセキュリティショーでも出展しているだろうと思いきや、全然見かけない。

 いつも以上に見るところも無いなと思いつつ、セキュリティショーに来たときは必ず寄ることにしている公安調査庁のブースを探す。私の場合、会場マップはこの公安調査庁のブースを探すためにもらうのである。

 さて、いざその場所に来てみると、これは意外。私が知っている公安調査庁のブースの雰囲気と全く異なっている。まず、スタッフが多い。次に、呼び込みをやっている(この呼び込みスタッフは外注しているのか?)。そして、配布資料が充実し、カラー化されている。

 しばらく来ないうちに公安もだいぶ様変わりしたのか。これまでの経験では、公安調査庁のブースと言えば、モノクロの冊子を山積みにした長テーブルがあるだけで、その長テーブルに向ってスタッフが一人ぽつねんとイスに座って、番をしているだけであった。この様子を見るたびに、さすが公安調査庁、実によく税金を節約している、などと思ったものである。

 それがどうだ。今の状況は。

 念のため言っておくが、私がまず思ったのは、出展経費を掛け過ぎているなどということではない。そんなことではなく、公安調査庁が自分らの存在をアピールしているということである。その目的は、ヒュミントであろうと思われた。配布資料をぱらぱらと眺めてみて、それを確信した。優秀な人材を集めたいのだ。

 優秀な人材が欲しい・・・どこの業界でもそう言うだろうが、その意味は多様だ。

 何を以て「優秀」と呼ぶか。難しい。

 「優秀」という言葉を当てるには少々違うかも知れないが、私が思うにそれは、「侮らないこと」ではないかと思う。何事も侮らない者は優秀である。なぜなら、世の中には侮ることばかりしている人が非常に多いと感じるからだ。そこに何事も侮らない人物が現れれば、一歩も二歩も他者に先んじられるのではないか。


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