奪われた光 #7

次の日ぼくたちは、昼ごはんの長い休み時間で、4つの机を向かい合わせにして会議を行った。
「第一回 鳥取楽しむための会議」

約1時間にわたる議論はそれでも足らず、放課後まで延長され、チャイムギリギリの17時まで熱戦を繰り広げた。ぼく達はいきたいところを出し合い、ルートを決め、完璧な計画を練り上げた。これから始まる未開の地探索は、ぼく達にどんな発見をもたらしてくれるのだろうか。会議が終了して妄想を膨らましていると、担任の嵐田先生が見回りに来た。

「おめえらこんなとこでくっちゃべってねえで、さっさとけえれよ。」

かなり訛りが強いけど、ゴリゴリの25歳。こんなこともあるんだなーとぼくは小学6年生の始まりの時に考えたことを思い出した。

ドキドキとワクワクが胸を打つ、心臓の鼓動が早くなり、同時に時の流れも早くなる。
いちにち、いちにちと、近づいていく鳥取旅行がぼくのワクワクを膨らましていく。

ついに夏休みが始まり、鳥取旅行も目前となった。
お母さんとお父さんには、ちゃんと報告した。「今年も気をつけて行ってこいよ」って笑顔で受け入れてくれた。中野の家族が連れてってくれるから安心してくれている。ちなみに旅行資金はどこから来ているかと言うと、中野家が全負担しているのだ。何を隠そう、あいつの家は超大金持ちだから。つまり、この旅行を邪魔できる障害など人るもないのである!!

ついに、出発の日を迎えた。
宙に浮いてふわりと飛ばされそうなこの気持ちに乗って、ぼくは羽田空港に到着した。

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