記憶コストゼロのカナ入力があった
最近日本語入力のキー操作体系をまったく変えたものを試行中です。
日本語入力ために独自のローマ字入力や仮名配列を開発している人の記事をよく見ています。自作キーボードで簡単に試せるものがあれば試したいと思っていました。しかし学習コストが高いと感じて踏み切れずにいました。学習しきってある程度サクサク入力できるようにならないとその配列の価値を感じることができないのですが、そのレベルに到達するには長い期間がかかります。
そんな中、1週間ぐらい前にふといい方法があることを思い出しました。
6点入力なら簡単に試せる。
6点入力とは点字をパソコンで入力する方法です。
点字とはこういうやつ。
点字は1マスごとに6個の点でできています。パソコンでは1マスごとに6つのキーを同時押しすることで入力します。6つの点をキーボードのFDSJKLの位置に対応させるのです。この入力方法を6点入力といいます。
点字も言語としては日本語であって文字が違うだけです。だから点字を目的としなくても日本語入力に6点入力がそのまま使えると思いつきました。
なぜか私は昔6点入力で点字を扱ったことがあります。まだ覚えていますので、記憶コストゼロで6点入力を始められます。
入力方法の学習コストには、脳が覚えるフェーズと指が覚えるフェーズがあります。点字を目で見てなら読めるし6点入力もできる私にとってはすでに脳が覚えている状態ですので、あとは指がどれくらいで慣れるかどうかです。
ということで1週間ぐらい前に自作キーボード(Keyball44)のファームウェアに実装しました。いま試しているところです。
試してみたところ、昔やっていた6点入力を指がすぐに思い出して、入力できるようになりました。
ただ速度はいままでのQWERTYによるローマ字入力にはまだまだかなわないです。それに、文字を入力することに専念すればスムーズに入力することができるのですが、人と話しながらメモを取ろうとしたり、考えながらものを書いてるときには文字をうまく打つことができないです。
6点入力での打鍵効率は、打鍵数や指の移動量などの指標をもし調べたら、ぜんぜん敵わないのではないかと思います。同時に押さなきゃいけないキー数が多いです。もともと点字は触って読み取りやすいように設計されたもので、キーボードで文字を打つためのものではないから、カナ入力としては効率が悪いのは当たり前です。とはいえ、6点入力はホームポジションの1等地の6キーだけで打てるので、指の移動量のような指標があれば勝てるかもしれません。仮に打鍵効率が悪くても、指の動きを楽しめてパソコンで文字を打つのが楽しくなればよいです。
前回の記事に書いた、明示的に言語切り替えキーを押さなくても自動で言語切り替えをしてくれるキーボードという方向性にもマッチしているのではないかという期待もあります。6点入力は同時打鍵が多く、打鍵パターンが英数字モードと大きく異なるためです。
6点入力をしばらく使ってみようと思います。点字の6点入力と完全に同じままにするのではなく、効率やリズムのよさを重視して、多少拡張する構想はあります。拡張するにしても実際の点字の6点入力から大きくずらすことはしないつもりです。万が一将来また本当に点字を入力する機会があったときに困るからです。
前回の記事
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