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モノクロの陰影とカラーの色彩のコントラストを楽しむ2つの写真展

銀座で開催中の2つの写真展に行ってきた。1つは完全なモノクロの世界、もう一つは色鮮やかなビビッドな世界。その対比が面白かった。

Group Show 森山大道、猪瀬 光、須田一政、田村彰英、石黒健治、細江英公

まずはモノクロの世界から。AKIO NAGASAWA GALLERY GINZAで開催中のグループ展「 Group Show」 。

「薔薇刑」シリーズ(細江英公)

最初の大きなプリント細江英公の薔薇刑シリーズの1枚で「薔薇刑#29」

薔薇刑#29(細江英公)

一瞬、これも森山大道なのかと思った。しかし、それもそのはず。森山大道は細江のアシスタントとして、このシリーズの現像・焼き付けなどの暗室作業で、重要な役目を果たしていたらしい。

薔薇刑(細江英公)

こちらも大きく飾られていたもう1枚の薔薇刑シリーズ作品。「ヴィーナスの誕生」と重なる大きな瞳に、つい吸い込まれるように見入ってしまった。少し屈んで写真を撮ると、大きな瞳にちょうど自分が映ったところでパチリ。

『DOGRA MAGRA』シリーズ(猪瀬 光)

『DOGRA MAGRA』シリーズ(猪瀬 光)

あと良かったのは、猪瀬 光の『DOGRA MAGRA』シリーズ。   1つ1つの写真は小さなものだったが、モノクロならではの黒い陰翳と白い光彩の強いコントラストに魅了された。


「サクガワサトル作品展 海、風、車」

もう一つのカラーの写真展は、こちら。
Sony Imaging Galleryで行われていた、「サクガワサトル作品展 海、風、車」。

沖縄出身のサクガワ氏による、沖縄で撮影された朽ちた車が主役の写真展。沖縄の青い空が綺麗なのは当たり前だが、古びて赤錆が目立つ廃車も綺麗に見えてしまう。こんな風景だったら、自分も撮りたくなってしまうんだろうな〜。    

26.402081821749757, 127.72329693734599

ちなみに、右下の数値はおそらく撮影地点の緯度軽度の数値で、タイトルになってるみたい。

26.385703441442992, 127.83808550794487

よく見ていると、共通しているのは、青い空だけでなく、特徴的なのが鮮やかな緑の植物に囲まれていること。空の青・植物の緑・黄色っぽい光の反射・赤錆とグラデーション的な色彩のバランスがいいんだろうな。

26.62359860481985, 127.96628337298034

Sonyのカメラの色味に依るところと、サクガワサトルさんの現像に依るところ、両方かもしれないけれど、どれも自分が好きな色合いだったな〜。今後も注目していきたい写真家の1人となりました。

まとめ

1日で2つのまったく異なる写真展をハシゴして見て、モノクロとカラーの一目瞭然の違いを感じながらも共通する部分があるとも感じた。それは、決して綺麗なものではなく異質なものや古びた廃車を被写体として撮っているにも関わらず、その被写体が際立って魅力的に見せていることだ。これこそ写真が作品たり得ることであり、写真家が成せるワザであるんだろうな〜。


2つのギャラリーの距離は徒歩5分ほど。どちらも30分もかからず見られるので、両方見たい人はハシゴしていってみてください!モノクロのAKIO NAGASAWA GALLERY GINZAの「 Group Show」 の展示は9日(土)まで、カラーのSony Imaging Galleryの「サクガワサトル作品展 海、風、車」は14日(木)までなので、お急ぎを〜。

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