自説を支持するデータばかり注目してしまう 「実験者バイアス」
認知バイアス大全マガジン
認知バイアスとは人間が不合理な行動をする原因のひとつ。そんな認知バイアスを集めたマガジンが、認知バイアスマガジンです。
計算のできる馬「ハンス」の実験
1891年、馬の調教師ヴィルヘルム・フォン・オステン(Wilhelm von Osten)は、計算できる賢い馬「ハンス」を披露します。ハンスは、質問に蹄をたたく動作で質問に答え、計算、色の識別、文字の読み書き、音色の識別などをしてみせました。しかし、ハンスは質問者の姿が見えないとうまく応えることができず、このことから、ベルリン大学心理学研究所のオスカー・プフングスト(Oskar Pfungst)は、「賢いハンスは、オステンからの非常に微妙な、おそらく無意識の合図に反応しているだけである」と結論づけました。たのである。プフングストの実験の厳密さと観察の綿密さは、行動心理学における実験デザインの初期の典型的な例と考えられている。
このような実験者の期待が、実験結果(被験者)に影響を及ぼすことを「実験者バイアス」と呼びます。
実験者バイアス
実験者バイアス(Experimenter bias)とは
実験科学において、実験の結果が実験者の期待する結果に偏ってしまう現象。観察者期待効果(Observer-expectancy effect)、期待バイアス(expectancy bias)、観察効果(Observer effect)などとも呼ばれます。確証バイアスに近い。
対策
関連した認知バイアス
確証バイアス(Confirmation bias)
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向。
参照
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