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EVバッテリー大手のSK-ONがEXXONから大規模リチウム調達へ

韓国のバッテリー大手SK-ONがEXXONから北米産リチウムの大規模調達契約を締結しました。
もしトラが確実視される折、トランプ氏のMAGAが更に先鋭化して企業へのプレッシャーが増すことが想定されます。
北米での最上流からの供給網整備は今後の最大の課題になりそうです。

1;ExxonとSK-OnのMOU締結

 6/25にExxonMobileは韓国のバッテリー製造;SK-Onとの間でリチウム供給に係るMOUを締結したとリリース。
 SK-OnはExxon社のアーカンソー州での採掘PJから最大10万トンのリチウムを調達し、EVバッテリー製造に用いる計画
 Exxonは23年末に[2030年までに年間約100万台のEVにLiB供給する]という目標を立てている

 既知のことながらリチウムはEV/エネルギー貯蔵システムなどに必要不可欠で、今後数年間で需要が急増すると予測。本件PJでは地下の塩水堆積物からリチウムを抽出、アーカンソー州でバッテリー向け素材に加工/変換
 今回の生成方法では従来の硬岩採掘よりも効率的で環境負荷が小さいとされる

2;SK-Onの戦略

 SK-Onはジョージア州にバッテリー製造拠点を2つ持ち、自動車OEMと競合で製造拠点を4カ所追加整備している。米国内でのバッテリー製造体制を構築して、既存の補助施策の活用&もしトラに備えるものとみられる
 ちなみに、米国製バッテリーはHyundai/VW/Fordに供給している

3;Exxonの戦略

 大戦略として、2050年までにCo2排出量ネットゼロにする計画だが、事業活動/消費エネルギーに注目するScope1&2のみに焦点を当てて、消費者の使用によるScope3に触れていない点は良く批判される…
 欧米石油メジャー5社のうちScope3目標を設定していないのはExxonだけで、投資家/環境テロリストから言及されることも

 23/11にExxonはアーカーソン州南部;スマックオーバーのリチウム資源権益を獲得し、早々に採掘作業を開始すると発表。当該PJでは、地下の塩水鉱床から抽出し、現場でバッテリー品質の材料に変換

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