見出し画像

UBSアナリストがBYDの新型EVを分解調査

UBSの自動車調査部門のアナリストがBYDの新EVであるSEALを購入/分解してModel3との比較をしました。SEALはコスト/性能を合わせるとModel3を超える能力があり、BYDなど中華系EVメーカーは欧州を席巻する可能性があるって、結論ありきな感じもしますが…

https://www.ubs.com/global/en/investment-bank/in-focus/2023/byd-teardown.html

1;SEALの分解調査

[ミクロ的な見方…分解しちゃった]
 SEALは多くの点でModel3に匹敵するのに販売価格は10-20%低く、総合的に見れば非常にコスパの良いEVと結論。
 Model3への優位点として[広い内部スペース][回転式中央コックピット][スクリーン][5G接続]を挙げる。特に[Cell-to-Body]技術により、車内足元スペース拡大/性能向上/製造コスト削減/空気力学的に有利な薄型の車外形が可能になっている
 Model3と同等の点としては[電力性能][コスト効率][エネルギー密度]を挙げる。一方で電気システムはTeslaに劣位にあるが、Tesla以外に比べると同等水準にあると指定。そして、自動運転機能にはリソース割かずで、サードパーティのLv2高度運転支援システムを搭載しているに過ぎないと。
[マクロ的な見方]
 BYD;SEALは[垂直統合/適切な仕様/生産規模]を通じた価格競争力が極めて高く、Teslaを凌駕する可能性もあるとしている
 特に日欧米のレガシーと比べて[EVコストの優位/幅広い製品群/幅広い顧客カバー]といった点で優位にある。ただこれはBYDのみならず、他中華系EVも[構造的/継続的]に現地ブランド/既存ブランドから市場シェアを簒奪する能力がある
 中華系は欧州を席巻して進歩を遂げたのちに、近い将来で米国での藻成功する可能性があると指摘

2;中華系EVの強み

 UBSがBYD;SEALを分解調査、Tesla;Model-3との違いを分析して[他EVメーカーは脅威とすべき]と警告を出した
 Model-3の数分の1のコストで製造されるにもかかわらず体験価値は同等で優れた代替品と称賛。顧客向けメモで[SEALを皮切りに中国EVが世界のEV市場の支配する動きが加速する]と述べている

3;BYDの欧州での優位性

 BYDだけではないが、中華系EVメーカーは政府の強いサポートと下記要因(欧州特有)から市場シェアを獲得する可能性が高い
(1)米国に次ぐ巨大市場だが、IRAが存在せず一定自由な販売が可能
(2)2035年までの100%電動化に向けてEV市場が急速に成長
(3)EV特化型のICEディスラプター不在で、レガシーOEMのEVしかない
(4)中国とのセグメント重複が多い(コンパクトタイプな、クロスオーバー/SUVが人気)
(5)中国本国での生産コストの安さに追随できる企業が存在しない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?