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米小売店舗のEV充電設備設置状況の調査

米国の消費者向けサービスの調査会社であるConsumerReport(CR)社が小売事業とEV充電機能設置の現状を調査しました。
調査では全米での設置台数は全店舗の1%程度ですが、客足/収益増加という効用を打ち出しており、NEVIを活用した今後の拡大が想定されます。
カテゴリ別の状況は面白いと思います。

1;CRによる調査公表

 CRが発表した米国小売業におけるEV充電機能/設備の導入実態では小売事業者の1%程度の店舗でしかEV充電機能を提供していないと明らかに。調査はCRの独立調査で、EV充電設備の可用性と全米75社の上位小売事業者における充電提供の取組を評価

 CRは主要な小売カテゴリーで270,000を超える店舗/拠点を調査、EV充電は平均で[大型店の14店舗に1店舗][食料品店の15店舗に1店舗][デパートの40店舗に1 店舗]で利用可能とのこと
 調査では、EV電器の設置は小売業者にとって客足(平均4%Up)と収益(5%Up)の効用を得られる装置と評価。ちなみに、米国内の殆どの小売店は設置費用の30%(最大10万ドル)がNEVI通じた補助金で/給付金カバー可能

 CRのマネジャー; Drew Toher氏は下記のように説明
 -[小売業者は全てのコミュニティに簡単にアクセスできる便利な場所を持ち、アメリカの充電課題に対処できる独自の立場にある]
 -[EV充電機能は、より多くの買い物客を引きつけてブランド力をアップする効果が得ることが可能]
 -[設置にあたっては連邦政府の奨励金を活用でき、消費者にはEV充電を日常の停車場所に組み込む利便性の恩恵を提供できる]

2;カテゴリ別の状況

2-1;大型小売店

 EV充電機能を店舗の10%以上で提供する企業は米国ではIKEAのみ(全店舗で導入済み)であり、WalmartやTargetは一けた台にとどまる…
 充電器の台数に関しては不足しているとされ、IKEAは引き続き台数を拡大する一方、Walmartは独自のDC急速充電NW構築に取り組んでいる

2-2;食料品小売

 Amazon Fresh(Whole Foods)/Big Y/Hy-Vee/Meijer/Raley’sなどは店舗の10%以上でEV充電機能を提供
 Trader'sJoe/Aldiは出遅れており、2社でEV充電機能を提供しているのは合計10店舗にも満たない状況。Liddleに至ってはEV充電機能を提供していない

2-3;CVS

 Wawa/Sheetzがリードしており、10%以上の店舗でEV充電機能を提供。
 Seven-Eleven/CircleK等の大手チェーンは全店舗でのEV充電機能提供は1%未満…ただ、今後NEVIプログラム活用して拡大する方針を出している

2-4;デパート

 Kohl’sは店舗の10%以上に設備設置されてるが、Dillard’s/JCPenney/TJXでは合わせて10カ所に満たない状況で更にRossでは0店舗

2-5;ドラッグストア

 Walgreenは数百店舗にEV充電設備を設置、関連した多くの取組を通じてEV充電に先進的な姿勢を見せるが、競合のCVSは10店舗未満でにか設置せずで出遅れ…
 ドラッグストアの平均滞在時間は15-60分であるため、DC急速充電器に最適となる可能性が高い

2-6;ディスカウントストア

 Dollar General/Dollar Tree/Five Below各社ともEV充電設備を設置していない。カテゴリーの店舗数は40,000を超え、地方/コミュニティへのEV普及の結節点として重要な役割を担う可能性が高い

2-7;ファストフード

 カテゴリ比較で最も遅れており、米国に約128,000の拠点があるもののEV充電設備を設置する店舗数は200店舗未満で、1%にも満たない…
 しかし、Starbucks/Subway/ChipotleはEVインフラの導入に向けた計画を発表しており、今後の拡充が期待される


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