見出し画像

商用EV;Arrival社の上場廃止&財務監理アドバイザー起用

元ロシア政府高官/富豪のSvedrov氏が創業した商用EV新興;Arrivalが上場規則違反でNASDAQ上場廃止となります。
また、財務監理に向けたアドバイザーとしてE&Yを起用したとの報道もあり、破綻に向けた動きが加速しているようです。
モビリティ絡みの新興企業は一時期の評価高騰から一転して厳しさを増しています。

1;新興EV;Arrivalの経営危機

 商用EV新興;ArrivalがNASDAQ上場廃止を申請/実行され、各種報道で経営危機と報道。1/30にNASDAQは同社株の取引を一時停止し、その後の正式に上場は意図すると発表。
 2021年にSPAC上場したArrivalだが、決算発表遅延/是正計画の不提出に伴う措置を取られることに…

 23/11には投資ファンドから5000万ドルの融資枠を確保、事業整理を通じた再浮揚に期待を持たせたが、今回の事態に。昨今の金利上昇/コロナ以後の供給網混乱/生産体制の脆弱性などといった要因でキャッシュを燃やしてきた…
 Arrivalは会計事務所E&Yと破産に近い財務監理手続きに入ったとされ、Contigency-Plan(緊急対応計画)を監督するアドバイザーとしての起用で当座凌ぎの資金調達ができなかった際の計画を立てるとのこと
 ちなみに、24/01には2021年に発効したCBの利払い(23/12支払分)が手元資金で担保出来なかったと明らかにしていた

2;Arrivalとは

 2015年創業でロンドンを拠点とするEV新興企業で商用EV(物流/輸送)に注目してきた。創業者のDenis Sverdlov氏は旧ソ連;ジョージア生まれでTech関連の経験が長く、2012年にはロシアの携帯メーカーYotaを12億ドルで売却、その後はロシアの通信副大臣などを務めていた
EV利用領域の中でも環境配慮が求められる配送バン/バスの運営会社と契約を結んで業容拡大を狙ってきた。特にUPSとは親密でArrivalに総額10億ドル相当(1万台のEV商用バン)を発注、2023年には公道走行を狙っていた
 特徴はマイクロファクトリーを利用とした商用車の製造で、EV生産の根本的な効率化を図った点でコスト削減を実現。車のシャーシにアルミを、ボディパネルには独自の複合材料を使用して軽量化&低コスト化を実現
 (バッテリー小型化を通じて、車両1台あたりのコストを4万ドルまで引き下げ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?